ブログ「名古屋漢方」管理人の、ムセキ(@nagoyakampo)です。本業は薬剤師で、漢方医学を専門にしています。
本記事は、本ブログで今まで私が書いた記事やnoteのうち、漢方の実臨床向け、若しくはそれに役に立つと考えられるものをピックアップしています。
「今まで漢方を勉強してきたけど、いまいち実践できない。」
と悩まれている方に、特にお勧めです。
内容は、漢方入門~中級者向けとなります。
あまり難しくは書かず、出来るだけ漢方医学の基本に忠実にまとめてありますので、手前味噌ですが「市販されている本よりはお役に立てるのではないかな?」と思っています。
まずは治療の基本を押さえておいて、少しずつ自分自身のオリジナリティを出していけば良いのではないでしょうか。
漢方の勉強は焦る必要はありませんので、じっくりと取り組まれる事をお勧めします。何人かに今まで私が漢方を教えた経験では、その方が早く上達しています。
本記事は、以下の構成になっています。
漢方医学入門
漢方医学理論
調剤メインの薬剤師向け記事
証決定向け記事
ドラッグストアでの漢方の選び方
これからご紹介する記事群で、漢方医学にありがちな「色々と本を読んだけどよく解らない」「何となく解った様な解らない様な感覚」が一つでも少なくなる事を願っています。
それでは、どうぞご覧ください。
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漢方医学入門
この見出しでは、漢方医学の門を潜った方向けの記事とnoteをご紹介致します。
漢方は臨床でつかってナンボですけど、それと同時に勉強していく必要もあります。勉強を進めていく上でのコツやポイントが解っていた方が良いですよね。
まあ、迷い迷い勉強する方法もありますが、時間が勿体ないと思います。
その辺りにフォーカスを当てていますので、きっとお役に立てるのではないでしょうか。是非、ご覧ください。
漢方の勉強方法について
私が、10年以上漢方を勉強してきた中で培った勉強のコツを記事にしています。書かせて頂いたポイントを念頭に漢方の勉強を進めて頂くと、効率よく勉強していく事が出来ます。
実際に買って良かったお勧めの書籍等もご紹介していますので、是非ご参考下さい。
漢方の勉強方法について
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漢方勉強10の心得
少し大袈裟な名前ですが、これは今でも私がやっている漢方を勉強していく上での注意点です。
100円の有料noteですが、無料部分で気をつけるべき10のポイントの見出しと、1個目のポイント部分を読むことが出来ます。
無料部分だけでも目を通して頂けると、漢方の勉強で道を踏み外しにくくなります。自分で書いておいて何ですが、参考になります。是非ご覧ください。
漢方医学理論
この見出しでは、臨床にもすぐに使える漢方の基礎理論の記事をご紹介致します。臨床は大事ですけど、その下支えはやはり基礎理論です。
私は基礎理論好きなので、どれだけ基礎をやっても飽きません。また、基礎理論を勉強する際には「それをどうやって臨床に応用していくか?」という視点が大事です。
ご紹介する記事には、その視点も含めて書かせて頂いています。是非ご覧ください。
【漢方】気とは何か?
漢方医学で一番の難問は「気」の概念の理解ではないでしょうか。
西洋医学では概念自体が省かれ、臨床上での使用方法も資料が少ない、感覚勝負な所があるのでいまいち自信が持てない。そもそも理解出来ない。
この様なお悩みを持ってらっしゃる方は本当に多いです。また、教える方も「宗教と思われる。」「感覚なのでどうやって伝えれば良いのか。」といった悩みがあります。
こちらの記事では、気の成り立ちから基本的な生理について解説しています。まずは「どの様なものか?」を理解して頂いて、納得するのが大切です。
漢方医学を勉強する上で、気の概念は避けては通れません。この機会に、是非身につけていって下さい。
【漢方】気とは何か?
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陰陽学説って臨床現場でどうやって使う?具体的な方法をご紹介します!
陰陽学説は漢方医学の基礎中の基礎です。ですが、基礎と言っている割にはその理解の程度があまり進んでいないのではないでしょうか。
この世の全ては陰陽に分けられる、と言います。その「仕分け方法」や「臨床でどう扱えば良いか?」というのをこちらの記事にてご紹介しています。
漢方医学の扉ですので、是非ご覧ください。
陰陽学説って臨床現場でどうやって使う?具体的な方法をご紹介します!
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調剤メインの薬剤師向け記事
漢方は、証決定だけではなく調剤でもその知識が必要になります。
薬局薬剤師としては、医療用漢方製剤の服薬指導方法や副作用発現の注意点、処方に合った養生法を知っておきたい所です。
本見出しでご紹介する記事群は、その辺りにアプローチしています。「時間が無い中での業務が少しでも楽になると良いな。」と思いながら書きました。
解りやすい漢方解説データベース
ブログ「名古屋漢方」のメインコンテンツです。医療用の漢方エキス製剤を全て網羅しており、服薬指導例も載っています。
漢方処方の説明時にお使い頂くと便利かと思います。リンク先の記事はまとめ記事となっていますので、対象のモノを選んでご覧ください、
「漢方薬の効果や副作用の解りやすい説明」データベース
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気を付けるべき漢方薬の副作用まとめ
漢方薬について、一般の方が持たれている印象は「効き目がマイルド」「安全」と言われています。
しかし、漢方薬の中には作用が激烈なものや副作用を起こしやすいものがあり、決して安全とは言えません。
こちらの記事では、「漢方薬の副作用」について詳しくご紹介しています。これらを頭に入れてから患者さんにお話されると、一段上の服薬指導が出来るはずです。
どうぞご活用下さい。
気を付けるべき漢方薬の副作用まとめ
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証決定向け記事
証決定は漢方医学の中で一番の醍醐味でもありますが、身につけるまでかなり時間がかかります。少しでも効率的に見につけて頂けるよう、系統立てて記事を書いて行きますので、是非ご参考下さい。
漢方入門。臨床第一歩目は身体内部の冷え(裏寒)の解消方法を学ぼう!
私が漢方を本格的に勉強し始めて、最初にマスターしたカテゴリーです。これが出発点でした。色々と迷った時は、毎回この立ち位置に戻っています。
裏寒を解消しておかないと、その他の病態が上手く改善しなかったり、逆に悪化させてしまう場合もあります。その辺りの事も含めてご紹介しています。
漢方入門。臨床第一歩目は身体内部の冷え(裏寒)の解消方法を学ぼう!
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脾虚の見分け方と漢方治療について
裏寒の次に気をつけるべき状態です。脾胃というのはユニットとして考えると上手く行きます。胃腸の調子と読み替えても良いでしょう。
こちらの記事では、脾虚の見分け方と治療について詳しく解説しています。どうぞご覧ください。
脾虚の見分け方と漢方治療について
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裏虚・虚労の治療について
裏寒、脾虚の治療が一段落した所で考えたい病態です。筋肉疲労が酷く、筋肉が固くなったり疲れ易くなったり便秘気味になったりします。
この辺りまで来ると、血を動かす事が出来ますね。裏虚・虚労はポイントを掴むと見抜きやすいので、漢方の楽しさが味わえます。
是非是非マスターして頂きたいカテゴリーになります。
裏虚・虚労の治療について
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気血両虚の治療について
補剤の王様、気血両虚剤の使い方について詳しくご紹介しました。
使いやすい様に見えて、意外と使用条件が厳しい処方群です。しっかりとその辺りも押さえて使用していきたいものです。
以下の記事にて、気血両虚の基本的な考え方と治療方法をご紹介しています。是非、ご覧ください。
血虚の治療について
血虚の治療はバリエーションが多く、どれを使えば良いかというのが中々解りにくいという欠点があります。
以下の記事では、血虚の種類について整理し、それぞれの対処法をご紹介しています。
難しいですが、根本治療への道ですので是非是非マスターしてください。
腎虚の治療について
腎虚の治療は、身体を作っている根本の元気である「腎精」の虚を補う治療になります。精というのは先天の精というもので、祖先から受け継いだ元気とも言えます。
現代医学的に言いますと遺伝子ですね。遺伝子も転写を繰り返すうちにテロメアが擦り減り、時間が経つにつれて老化を起こします。
その事を漢方医学で「腎精の虚」と呼んでいます。その腎虚の治療は、全ての漢方治療の終着点となります。また、腎虚の治療は血虚程はありませんがバリエーションが多く、どれを使えば良いか迷いやすいという特徴があります。
以下の記事では、腎虚の種類について整理し、それぞれの対処法をご紹介しています。
難しいですが、根本治療への道ですので是非是非マスターしてください。
腎虚の治療について
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肺陰虚の治療について
肺という臓器は、心の熱を受けて乾燥しやすく、その乾燥が度を超えると様々な障害を引き起こします。また、肺陰虚は上記の脾虚~腎虚までの全ての段階と実証で、適応病態が存在します。非常に横断的な病態です。
以下の記事では、肺陰虚の病態生理からバリエーションまでご紹介しています。
肺陰虚の治療は温病の治療にもなりますので、是非マスターしたい所です。少しでもお役に立てれば幸いです。
肺陰虚の治療について
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心気虚・心血虚の治療について
心という臓器は、身体のエンジンであると共に、精神的なOS(オペレーションシステム)になります。
この部分にエネルギー不足(心気虚・心血虚)が起こると、不眠や精神不安等の精神症状が起こります。
心気虚・心血虚の治療については、以下の記事にて詳しくご紹介しています。是非ご覧ください。
心気虚・心血虚の治療について
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表虚・表寒の治療について
一般的に、風邪の治療に用いられる葛根湯等、桂枝湯が元になっているグループの処方群の解説です。
言い換えますと、風邪のひき初めとされる「太陽病」という時期に対するお薬です。
ポピュラーなセクションにも関わらず、その使用はかなり制限が多くつきます。ですので、対象の患者様の身体の状態を見極めて使う必要があります。
表虚・表寒の治療については、以下の記事にて詳しくご紹介しています。是非ご覧ください。
表虚・表寒の治療について
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気滞の治療について
気滞になりますと、何となく気分が優れない、低気圧が近づくと調子が悪い、狭い所が嫌、ボーッとする、気分の停滞等、不定愁訴が現れてきます。
その様な場合の用いる「理気」という治療について詳しく解説しています。
また、似た病態との鑑別も取り上げ、狭義の気滞の把握も出来るよう工夫してあります。
気滞の治療については、以下の記事にて詳しくご紹介しています。是非ご覧ください。
気滞の治療について
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水毒の治療について
漢方の治療ポイントの一つに、身体の水の調整があります。
基本的に、漢方治療の考え方は水を排出する方向へ向けられています。用語も色々とあって、覚える事も多いのですが、水の治療をマスターすれば、漢方治療が外れにくくなります。
水毒の治療については、以下の記事にて詳しくご紹介しています。是非ご覧ください。
水毒の治療について
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裏熱の治療について
漢方治療の中で、裏熱の治療は真骨頂と言えます。一気に症状が改善する為、人気の高いカテゴリーと言えます。
裏熱というのは身体中心部の熱の事で、この熱を取り去る治療を行います。
しかし、作用が強く身体を冷やすという事は、それだけ処方の使用条件が狭く、使いどころが難しいというデメリットもあります。
ですので、ここぞという時を逃さず使用し、良くなったらすぐに別処方に変える事が大切になります。
裏熱の治療については、以下の記事にて詳しくご紹介しています。是非ご覧ください。
裏熱の治療について
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湿熱の治療について
湿熱は、その名の通り「熱を持った湿邪」となります。熱を持っている為に粘性が高い事が多く、取り除くのにも苦労します。
湿熱はその性質から下に沈みやすく、陰部の炎症や膀胱炎として表れやすい病態です。
他にも、夏の暑さから来る湿熱もあり、それらは薏苡仁等の軽めの湿熱取りで対応出来る場合もあります。
湿熱の治療については、以下の記事にて詳しくご紹介しています。是非ご覧ください。
湿熱の治療について
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肝熱の治療について
漢方医学特有の病態として、和法という治療方法があります。
邪気が身体の中にひっかかり、下す事も発散する事も出来ない場合に使用する方法です。要はかき混ぜて邪気を無毒化しようという治療になります。
柴胡を使う肝気が詰まって起こる病態と、竜胆が必要な肝気過多という病態があります。
肝熱の治療については、以下の記事にて詳しくご紹介しています。是非ご覧ください。
肝熱の治療について
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温病の治療について
温病は傷寒論で記載が非常に少なく、後の金元時代に本格的に纏められた病態です。
温邪という乾燥を伴った熱邪が外部から身体を侵し、潤いを無くしてしまうという特徴があります。
ですので、傷寒論で用いられている辛温解表という方法ではなく、辛涼解表という方法が取られます。
温病の治療については、以下の記事にて詳しくご紹介しています。是非ご覧ください。
温病の治療について
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瘀血について
漢方治療の中で、瘀血の治療は真骨頂と言えます。持続的な病態を改善させるには、如何に瘀血を除くかという一点にかかってきます。
瘀血というのは、身体に溜まった様々な形の悪い血の事で、この熱を取り去る治療を行います。
しかし、血の毒を取る事は、それだけ身体の気力体力を消耗しやすく、使い方が難しいカテゴリーでもあります。
ですので、瘀血があることをしっかりと確認し、気力体力が問題ない事を確認してから使用するとよく効いてきます。
瘀血の治療については、以下の記事にて詳しくご紹介しています。是非ご覧ください。
瘀血の治療について
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心熱・肺熱の治療について
身体を上中下に分ける考え方を三焦と言います。その中で、身体の上部を構成する心肺を中心とした区分が上焦(じょうしょう)と言います。
上焦は身体の動き、即ち機能面を主ります。その為、熱を持ちやすく、その熱をいかにして排出していくかがというのが漢方治療の上でのキーポイントとなります。
それら心肺の熱の治療について、以下の記事にて詳しくご紹介しています。是非、ご覧ください。
心熱・肺熱の治療について
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排膿について
身体にある邪気や毒の処理は、汗と共に発散する方法、便や嘔吐で排出する方法、身体の中で中和する方法がメインです。
よく略して「汗吐下中和(かんとげちゅうわ)」と表現したりします。
実は、それ以外に身体から邪気や毒を除く方法として「排膿」というものがあります。
古くは桔梗湯や排膿湯排膿散、後世になると十味敗毒湯や荊芥連翹湯等がそのカテゴリーに入ります。
また、身体の状態によって中和させて引っ込ませたり排膿したりというのを自動調整する治療法として「托裏(たくり)」という方法があります。
それらを、以下記事にて詳しくご紹介しています。
排膿について
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虚実寒熱錯雑状態の治療について
市販の本には、漢方処方を使った場合にとてもよく効いたように書かれている事があります。
しかし、実際の臨床ではその様な事は殆ど無く、虚実寒熱が織り交ざった状態になっている事が殆どです。
大切なのはその様な状態を見極め、適切な手が打てるかという事一点にかかっています。本記事では、この様な病態の時にどう証決定して行けば良いか、どう治療すれば良いかを説明しています。
是非、ご覧ください。
虚実寒熱錯雑状態の治療について
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胆の治療について
胆という臓は肝のグループに入り、丁度表裏寒熱上下の境目(横)になります。
その為、虚状と実のどちらの病態も存在する特殊な性質があり、本記事はかなり特殊で応用的な内容となります。
レベルは漢方の中級者の方以上を想定しています。ですが、漢方医学の上達には必須のカテゴリーとなります。
他の漢方基礎臨床記事を読まれた後であれば、問題なく読めるはずです。是非、ご覧ください。
胆の治療について
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一貫堂医学について
一貫堂医学は、明治大正昭和の時代にご活躍された森道伯先生が行われていた漢方流派の名前です。
元々は漢方と仏教を合わせた流派だったそうですが、仏教部分はお弟子さんには受け継がれておらず、今となっては失伝してしまった不完全な医学体系です。
ですが、その不完全さが逆に良い方向に働いて、広く応用出来るようになっています。
本記事のレベルは漢方の中級者の方以上を想定しています。ですが、漢方医学の上達には必須のカテゴリーとなります。
他の漢方基礎臨床記事を読まれた後であれば、問題なく読めるはずです。是非、ご覧ください。
一貫堂医学について
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ドラッグストアでの漢方の選び方
いくら漢方医学を勉強しても、実践をしなかったら意味がありません。こちらのnoteでは、解りやすく安全に漢方を選べるようプロトコルを作りました。
現在、ドラッグストアで扱っている漢方製剤100種類位を網羅していますので、このnoteを使って選んで頂ければと思います。
さいごに
今回は、漢方の臨床に役立つ記事についてまとめてみました。これから先もこのまとめ記事のボリュームは増えていくと思いますので、定期的にチェックして頂けると幸いです。
この記事が皆様のお役に立てたら嬉しいです。最後までお読み頂きありがとうございました。
以下より他の漢方記事が検索できますので、宜しければご活用下さい。
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それではまた!ムセキ(@nagoyakampo)でした。