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ストレス耐性を高める方法を、漢方専門の薬剤師がご紹介します!

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ストレス耐性を高める

ストレス耐性を高める

はてな

「ストレスを避けろ!」ってよく言われるけど、現実それだけじゃ無理だよね。最終的には逃げるとしても、何か良い方法無いかなあ?

という疑問をスッキリ解消します。

「名古屋漢方.com」のムセキです。漢方を勉強していて良かった事の一つに、「ストレス耐性が高まった」というのがあります。

そのポイントは、「陰陽の移り変わりを知る。」「下半身を強くする。」「ストレスから逃げる為に限界線を張る。」という3点です。

物事は悪い事ばかり続くように、また、良い時がずっと続くように感じますが、実際は良い事と悪い事が交互に起こっています。

ですので、現実に合わせて「良い事と悪い事は交互に起こる」と認識する事で、心に余裕が生まれます。

また、下半身という土台が強いと外からの刺激に対して強くなります。言い換えますと、何事に対してもどっしりと構える事が出来るようになります。

更に、予めストレスに対して「もう限界!」という線引きをする事で、ストレスで判断を狂わされる事も無くなります。

本記事ではこれらのポイントに触れながら、ストレス耐性を高める方法についてご紹介していきます。

この記事は以下の様な構成になっています。

「ストレス耐性が高い」という状態とは?

「塞翁が馬」のお爺さんが目標

陰陽の移り変わりを知る

下半身を強くする5つの方法

ストレスから逃げる為に予防線を張る

まとめ

よく「ストレスからは極力逃げろ。」と言われますが、現実はそう甘くありません。

ストレスを少なくする事は大切ですが、時と場合によっては向き合わなくてはいけません(勿論、逃げる必要がある場合もあります)。

ですので、「ストレス耐性を高めておく」という事は、実生活において思った以上に重要になってきます。

それでは、今から上記で挙げた3つのポイントを中心にして解説していきます。よろしくお願いします。

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「ストレス耐性が高い」という状態とは?

ムセキ
答えは七転び八起き。何度でも諦めずに立ち上がる事です。

某バスケ漫画の顧問の先生の「あきらめたらそこで試合終了ですよ・・・。」という名言をご存じでしょうか?

この言葉は、「ストレス耐性が高いという事はどういう事か?」を教えてくれます。

ストレス耐性が高い状態とは、何度でも諦めずに立ち上がる事が出来る状態を言います。悪い事があっても、「起こったものは仕方ない。」「次があるさ。」と動じない事です。

そしてそれは、逆に良い事が起こった時にも言えます。

良い事が起こった時にも、「良い事ばかりは続かない。」「気を引き締めていこう。」と気を緩めずに次に向けて準備します。

「勝って兜の緒を締めよ。」とも言いますよね。これが「ストレス耐性が高い」という事になります。

実はこの状態、有名な故事「塞翁が馬」のお爺さんの振る舞いそのものでもあります。塞翁が馬についてご存じない方は、下記リンクをご参照下さい。

塞翁が馬

また、いくらストレスに対する耐性を高めても、一時的に限界を超える事があります。

過度のストレスに対しては、身体を守る為にも逃げるという選択をしないといけない場合も出てきます。

しかし、いざその時になったら冷静に判断する事は難しいです。過度のストレスによって、判断が狂わされる事があるからです。

その様な失敗をしない為、ストレスに対する自分の限界(予防線)を予め設定しておくと、逃げるかどうかの判断を間違えずに下す事が出来ます。

逃げる事はあきらめる事とは違います。それは戦略的撤退であり、また立ち上がる為の一手になる、と言えます。

これが出来ないと、逃げる力も無くなり身体を壊してしまう危険があります。事前に予防線を張って対処しましょう。

「塞翁が馬」のお爺さんが目標

ムセキ
塞翁が馬のお爺さんの様に「陰陽の移り変わり」を知り、「どっしりと構える」事が大切です。

有名な故事の「塞翁が馬」に出てくる主人公のお爺さんが居ます。

このお爺さんは「良い事と悪い事は交互に起こる」という陰陽の移り変わりを知り、「何事にもどっしりと構えて対応」しています。

ストレスから逃げるという判断をするまではこの2点が大切ですが、とりわけ、「何事にもどっしりと構える」というのが重要になります。

実は、どっしりと構えるには気持ちだけでは駄目で、物理的、身体的に下半身を強くする必要があります。

その事を、漢方理論では「腎を強くする」と言います。

腎は「作強の官(さっきょうのかん:作業を力強く行う役人)」と呼ばれ、物事を動かす根本のエネルギーを内蔵しているとされています。

ここを強くする事、守る事が重要になります。次の見出しから、これらのポイントについてそれぞれ解説していきます。

陰陽の移り変わりを知る

ムセキ
現実は、良い事ばかり、若しくは逆に悪い事ばかり起こるという事はありえません。

最初は「陰陽の移り変わり」についてです。漢方の基礎理論の陰陽の変化を知っておくと、気持ちに余裕が出てきます。

良い事と悪い事は基本的に続かず、いつかは終わりを迎えます。また、「悪い事が起こった!」と思っても、後から考えてみると結果として良かった、と思う事も多いです。

この陰陽の流れの癖を知っておくと、目の前の現象だけ捉えずに、物事を線で見る事が出来るようになります。

この様な見方のスピーチは、Apple創業者のスティーブ・ジョブズが「点と点をつなげる。」という内容でされています(スタンフォード大学卒業式:下記動画参照)。

線で物事を見る事が出来ると、目の前で起こる事に対して一喜一憂しにくくなります。言い換えますと、冷静に物事を見る事が出来るようになります。

そしてそれは、陰陽を越えた「道」「悟り」への道になります。

陰陽の移り変わりを越えた先には、ただ静寂が存在します(静寂は陰と陽、どちらにも存在します)。

言葉で言うのは難しいのですが、物事の移り変わりに対して冷静で居ると、「静寂」を感覚として捉えられるようになってきます。そうなればストレスはかなり減ってきます。

「Stay cool.」を意識しましょう。

スティーブ・ジョブス 伝説の卒業式スピーチ(日本語字幕)

下半身を強くする5つの方法

ムセキ
下半身を強くし、どっしりと構える方法をご紹介します。

物事の不安定な状態、安定な状態を比べてみますと、ある共通点があります。それは、「土台がしっかりしていると安定する。」という事です。

私たちの身体と精神も実はそうなっていて、下半身がしっかりしていると、精神も安定してきます。

漢方では「腎を強くする。」とも言います。「落ち着く」「本腰を入れる」等の言葉は、下半身の重要性を暗に示しています。

逆に、「足腰が弱くなる」「へっぴり腰」は下半身の力が無い状態を示しています。また、武術では「丹田」というおへその下を意識する事が大切とされています。

丹田は、おへそから指三本下にある「気海(きかい)」と呼ばれるツボの辺りを指します。

下半身を強くするという事は、この丹田を強くするという事に外なりません。これから、下半身(丹田)を強くする方法をご紹介していきます。

腹式呼吸

一般的にも、腹式呼吸は丹田を強くする方法として有名です。胸式呼吸の癖がついている場合、身体の上半身に力が入りやすくなります。

そうなりますと、精神的に不安定になってきますので注意が必要です。日常で気がついた時だけでも良いですので、丹田まで空気を吸い込むイメージで腹式呼吸をしましょう。

繰り返して訓練していると、段々と腹式呼吸出来るようになってきます。

腹式呼吸の感覚が解らないという方は、あお向けに寝て、丹田の部分に手を当てて自然に上下するのを確かめてみると良いです。

あお向けに寝ると、誰でも自然と腹式呼吸になります。

丹田の気が高まるイメージをする

これは私独自の方法ですが、丹田にエネルギーが満ちるイメージをします。繰り返しになりますが、丹田の別名を気海(きかい)と言います。気の海ですね。

この丹田ですが、昔の人に比べて現代人は歩かなくなり、弱って気が上に昇っています。

この身体のバランスの崩れが、各種病を生み出しています。「丹田の気が高まるイメージ」というのは何でもよくて、

丹田が温かくなる

丹田からエネルギーが満ち溢れる

丹田が光り輝く

丹田が身体の中心だと思う

等の方イメージ方法があります。

上手く行くと、身体の上半身から力が抜け、首肩のコリも楽になってきます。場合によっては、身体が勝手に揺れ出す場合もあります。

もし揺れ出した場合は、身体のゆがみを自動で調整しているので止めずに放置しておきましょう。歪みが無くなれば勝手に止まります。

これは体験して頂くのが一番ですので、一度お試し頂ければと思います。これはイメージだけですので、いつでも行う事が出来ます。

腹式呼吸と組み合わせれば、相乗効果が出てきます。

充分な睡眠

これは一般的にもよく言われていますが、下半身(腎)を強くするには十分な睡眠を摂る事が大事です。最低、6時間は寝たいですね・・・自戒を込めて。

食事は少な目

食事が多いと、それだけ消化にエネルギーが必要です。

消化のエネルギーは身体の根本である腎のエネルギーを使用していますので、食事量が多い生活は身体を冷やす原因になります。

また、体重が増える事で足腰への負荷を増やしてしまいます。若い時は良いのですが、中年以降は食事に気を付けて行きましょう。

老いと共に腎は弱りますが、そのスピードを少しでも緩やかにすることが大事です。

身体を冷やさない

本ブログで繰り返しお話している「裏寒」という冷えに気をつけましょう。これは丹田部分のエネルギーが無くなっている状態になります。

身体の中心が冷えると、ストレス耐性が弱まります。身体の元気が無くなりますので、ストレスに対して当然弱くなります。

裏寒を改善するには足首を温めたり、丹田を温めるのが一番ですので、レッグウォーマー、足湯、腹巻等をして冷やさないようケアしましょう。

ストレスから逃げる為に予防線を張る

ムセキ
ストレスに対する耐性をつけても限界があります。そんな時の為に予防線を張る事が大事です。

最後は、ストレスが自分の限界を超えた場合の対処方法です。いくらストレス耐性を高めても、正直言って限界があります。

そこで無理をすると、逃げる事も出来なくなり、悲惨な結果になる事もあります。その様な場合は、余力があるうちにストレスから逃げて、身体を建て直す事が大事です。

漢方の言葉で表すと、「腎を守る。」と言います。

ちなみに、逃げる事は大事ですが、逆に逃げてばかりでもいけません。ですので、自分の中でストレスに対する予防線を張っておいて、「その一線を越えたら逃げる。」と予め設定しておくと良いでしょう。

繰り返しになりますが、ストレス耐性が高い、という事は「何が何でも頑張る」ではなく、「何度でも立ち上がる」事です。

一時的に引くのも大事ですので、合理的な判断を心がけましょう。

ストレスに対する予防線については、Ryota様のサイト(下記リンク参照)に、とても参考になる記事がありましたのでご紹介致します。

仕事をメインに取り上げられていますが、日常生活全てにこの考えは適応できます。

本当に同意見で、予防線を張っておくと、特に真面目に働いている方に陥りがちな「自分が壊れるまで頑張る。」という事を防いでくれます。

私も経験がありますが、この考え方は仕事で身体が壊れた経験が無いと出ない考え方です。

何度でも立ち上がって人生を進んでいく為にも、ストレスに対する予防線を張っておいて、いざという時は早めに撤退する事が大切です。

早めに撤退する事で、次への準備が余裕をもって出来るようになります。

まとめ

ムセキ
ポイントは「陰陽の移り変わりを知る。」「下半身を強くする。」「ストレスから逃げる為に予防線を張る。」の3点です。

色々とストレス耐性を高める方法をご紹介しましたが、その中でも「丹田の気が高まるイメージをする。」というのが私の一番お勧めの方法になります。

ですが、まずはご自身で「これは出来そうだ。」と思ったものを試されるのが良いと思います。日々大変な事が続きますが、一歩一歩歩いていきましょう。

本記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。

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