こんにちは!「名古屋漢方.com」のムセキと申しますm(_ _)m。
今日は、夏の時期の漢方養生法をご紹介していきたいと思います。
冷たいものが悪いってよく言うけど。
でも、熱中症とかによくなるよね。
夏は暑くて日も長いので、花火大会やお祭りも多く、夜遅く起きていることが多い季節です。しかし、漢方医学的には季節の変わり目でもあり、この季節の過ごし方が、後々の季節に影響してきます。
土用が季節の変わり目?
普通は春分や秋分のお彼岸の頃って言わない?
まずは、その辺りから書いていこうと思います。その後、現代特有の問題と、夏の養生について説明していきます。
宜しくお願いしますm(_ _)m
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夏→秋は陰陽五行説で相克
陰陽五行説を見てみます。季節の巡りは、ご存知の通り「春夏秋冬」ですが、基本的には次の季節を助けるように巡っています。
「春夏」「秋冬」「冬春」は相生関係になります。しかし、この季節のうち、夏秋の流れだけは「相克」というブレーキの関係になります。
秋が弱くなるとどうなるか?
秋が弱くなる事で影響が出るのは、夏から秋の流れではなく、秋冬とそこから先の冬→春の流れです。
漢方の処方集に万病回春という本がありますが、この本の題名にもなっている回春というのは、「病気(冬)が治り春になる」という意味だそうです。
お盆の時期から始まる身体の体力(陰)作りが上手く行かないと、次の春を上手く迎えることが出来なくなります。
ですので、とにかく夏の時期、特に土用(長夏)の時期は季節の変わり目と認識して、しっかりと養生することが大事です。
現代の問題
夏の養生法で、昔には無かった注意が現代では必要になってきています。それは、エアコンと冷蔵庫の存在です。エアコンは、室内を冷やし、外を暑くします。
つまり、外に出るとその熱邪で熱中症・熱射病・日射病になりやすくなり、室内は室内で今度は裏寒になりやすくなります。
また、冷飲食の普及で、胃腸が冷えやすく、それがだるさ、疲れ、冷え性等の昔には無かった病態を引き起こしています。
夏の養生のポイント
夏の養生は、一言でポイントを言いますと「無理をしない」という事に尽きます。
日が長く、無理をしがちなこの時期ですが、そこをぐっと我慢して、養生できるかどうかが分かれ目になります。
具体的には、①裏寒予防、②暑さの緩和、③胃腸の保護、④早めの睡眠です。①~④について、一つずつ見ていきます。
① 裏寒予防
裏寒予防については、以下の記事で詳しく書いていますので、ご参照ください。もし漢方薬を、という事であれば真武湯が良いと思います。
その体調不良は「裏寒」が原因かも?対処法をお伝えします!!
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② 暑さの緩和
先に裏寒を何とかしておいて、その次に暑さの緩和が必要になります。
なるべく暑い所を避けるのが良いのですが、それが無理な時は麦門冬という生薬の入った処方がおススメです(専門家向けですが、麦門湯処方については下記の記事をご参照いただければと思います)。
その中でも、比較的手に入りやすく無難な処方として、清暑益気湯を準備しておくと良いと思います。医療用の漢方製剤にもありますし、ネット通販でも比較的手に入りやすいです。
麦門冬処方解説
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③胃腸の保護
夏の胃腸の保護は、とにかく冷飲食を少なくするという事、甘いもの脂っこいものを取り過ぎない事に尽きます。
胃腸の状態が悪いと秋になって夏ばてを起こします(夏ばては夏の暑さの影響で秋口に体調を崩す事)。
ですので、現代では土用に鰻を食べるという事は必要ないと思います。
④早めの睡眠
4つの養生の中で、一番気をつけないといけないのが睡眠だと考えています。
睡眠は陰を補う、体力をつける最大の行為になりますので、夏の時期から注意して睡眠をとる事で、秋冬に向かっての準備になると思います。
そして、それが次の季節を良い状態で迎える事に繋がります。
夏の土用は「長夏」で、季節の中間点になります。
マスコミでは、あまり8月初めを「季節の変わり目」とは言いませんが、実際は冬から始まる季節の中間点になります。
もう一つの中間点に夏至がありますが、あちらは太陽の運行を基にする天の季節の中間点、夏の土用はそれを受けて反応した地の中間点です。
人間は、こちらの地の中間点の影響を受けやすくなっています。しかも、その季節の中間という事が解り難いのが一番大きい問題になります。
しかし、一度気をつけるようにしますと、知らなかったのとは別のアプローチが出来るようになります。
何事もそうですが、一番良い時が下降の基点になりますので、季節に限らず気をつけたいものです。
夏の時期の漢方養生法は以上ですが、雨や台風も多いので、以下の記事もご参考頂けると幸いです。
低気圧が近づくと不調になる人に、お勧め対処法を紹介します!
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