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ネゲントロピー理論と漢方医学

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こんにちは、「名古屋漢方.com」のムセキです。 

「漢方治療の要(かなめ)は、正気を補い邪気を瀉す事である。」と言います。

全くもって正しいのですが、この言葉がどういう意味か具体的にイメージしながら解りやすく説明するのは中々に難しいと思います(例えは出来ますが)。

今日はこの件について、「ネゲントロピー」の考えを用いて説明して行きます。

エントロピーか何か?

熱力学方程式?関係あるの?

ムセキ
大いに関係があります。

「ネゲントロピー」という言葉はあまり聞きなれない言葉だと思いますので、その辺りの説明も加えます。

最後までお付き合い頂ければ嬉しいです。

 

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ネゲントロピーとは

ムセキ
昔、勉強した化学と物理の分野です。

高校の化学、物理学の分野で出てくる項目に「エントロピー」「エンタルピー」があります。

熱力学方程式の分野だったと思いますが、実は生物においても、その法則は成り立っています。

具体的には、身体の乱雑さを一定以下にする為、絶えず必要な乱雑さが少ないエネルギー(低エントロピーのエンタルピー)を摂取し、乱雑さの高いエネルギー(高エントロピーのエンタルピー)を排出しています。生命のそうしたエントロピーの低い状態に保たれている事を「ネゲントロピー」と言います。

ムセキ
とりあえずwiki載せておきます。

ネゲントロピー

正気と邪気というのは

ムセキ
ぶっちゃけてしまいます。

前の見出しでネゲントロピーについて説明しましたが、簡単にざっくりと説明しますと、正気と邪気というのは、単にその要素の「エントロピー」が高いか低いかの差でしかありません。

私たち人間は、食物を摂取し、便を出します。

これは、エントロピーの低いもの(正気)を取り入れてエントロピーの高いもの(邪気)を出すという事に外なりません。

また、少し余談になりますが、その摂取、消化、使用、排泄の生理機能にはエンタルピーが必須であり、裏寒、脾虚という病態はエンタルピーの不足した状態とも言えます。

まとめますと、対象の気血水の乱雑さが高いと経絡を巡らず暴れて詰まります。身体にとって害となる邪気は捨ててしまわないといけません。

乱雑さが低い場合には有用な正気となり、補う対象となります。

漢方医学の面白いのは、正気を補う治療は、邪気を排出させる治療になる場合もありますし、邪気を排出させる治療というものが、正気を補う治療にもなり得る所です。

邪気を除くという事は、生体に何かしらのエントロピーの高い気が「詰まって」いるという事です。

漢方処方でその詰まっている邪気を排出させるという事が治療になります。考え方一つで、漢方医学というものは非常に解りやすいものに変わります。

生体のネゲントロピーの例

ムセキ
生体のネゲントロピーの例をご紹介します。

水を飲んで尿を出す。

食物を食べて便を出す。

食物を消化してエネルギーを得、生理的に使用されて余った熱は、皮膚の発汗により気化熱の作用を利用し下げる。

五臓を動かす心はエンジンであり、余った熱は肺のガス交換作用と共に呼気として気化熱により排出される

何かに対して怒りを覚えた場合、この怒りという気はエンタルピーとエントロピー共に高いものなので、外に排出しようとする。具体的には口に出す、叩く等。

何かに対して喜びを感じた場合、その気も体内に充満すれば有余の邪気となるため、「笑う」という行動を通して外に排出している

 このような例で、生体がエントロピーの高い「邪気」を日常的に排出しているという事が解ります。

 漢方とネゲントロピー理論

ムセキ
漢方は物理学的な側面を持ちます。

漢方医学の治法は「補い、そして瀉す。」というシンプルなもの、と上でお話しさせて頂きました。

その中でも、「瀉法」は「汗、吐、下」の三法に「中和」を加えた四法のどれかを使って邪気を排出(消去)し、身体の気の流れを回復させています。

つまり、病的に詰まったエントロピー(乱雑さ)の高い気を、漢方処方等を使う事で最終的に体外に排出する事が、漢方治療の要と言えます。

そして、それは熱力学方程式の系の乱雑さや、ネゲントロピー理論に沿った治療であるという事です。

漢方医学は、西洋医学の薬のように「〇〇のレセプターに結合云々、ブロッカー云々、刺激薬云々」だけでは言い切れない、気の量による処方変更も考えるべき医学である事が解ります。

もし、漢方方剤を処方される事があれば、一度、身体全体のエンタルピーやエントロピーの変化も考慮して頂けると、今までより一歩進んだ処方が可能になると思います。

 お読み頂きありがとうございます。

ムセキ
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以上です。少しでも参考になれば幸いです。以下より、他の漢方記事が検索できますので、宜しければご活用下さい。

 

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