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漢方薬の解りやすい説明

【漢方:19番】小青竜湯(しょうせいりゅうとう)の効果や副作用の解りやすい説明

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ポイント

この記事では、小青竜湯についての次の事が解ります。

・患者さんへの説明方法、副作用や注意点

・出典(条文)、生薬構成

・詳しい解説、他処方との鑑別

「名古屋漢方.com」のムセキです。

本記事は、小青竜湯の解説記事になります。

最初に患者さんへの説明例、その後に詳しい処方解説を載せています。日々の業務で使う資料としてご活用頂ければ幸いです。

ムセキ
よろしくお願いしますm(_ _)m

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<急ぎの方用>患者さんお客さんへの説明

ムセキ
私が普段行う説明を書いています。

一般的な説明

花粉症等鼻水の場合

今日は、小青竜湯という漢方薬が出ています。今日はどのような症状で出されましたか?

このお薬は、鼻水の量を少なくして鼻の通りを良くする薬です。漢方薬ですので、眠気が出ないのが特徴です。

水分を摂りすぎると効果が悪くなりますので、少し水分は控えめにしてください。

身体が冷えてきた、湿疹が出た、むくみ、血圧が上がった等の症状があればご一報頂ければと思います。

喘息等の場合

今日は、小青竜湯という漢方薬が出ています。今日はどのような症状で出されましたか?

このお薬は、昔から喘息の漢方薬として有名です。身体から、余分な水を除いて喘息を出にくくします。

水を多くとりますと、効果が落ちますので、水分補給は控えめの方が良いでしょう。

身体が冷えてきた、湿疹が出た、むくみ、血圧が上がった等の症状があればご一報頂ければと思います。

一日〇回△日出ておりますので、指示通りお飲みください。

漢方医等処方の場合

花粉症等鼻水の場合

今日は、小青竜湯という漢方薬が出ています。今日はどのような症状で出されましたか?

このお薬は、鼻水の量を少なくして鼻の通りを良くする薬です。漢方薬ですので、眠気が出ないのが特徴です。

花粉の時期は春ですが、その春の時期は青竜という東を守る神様の時期です。この小青竜湯は、その神様の名前が由来で、身体から余分な水を除いて鼻水を改善します。

水分を摂りすぎると効果が悪くなりますので、少し水分は控えめにしてください。

喘息等の場合

今日は、小青竜湯という漢方薬が出ています。今日はどのような症状で出されましたか?
このお薬は、昔から喘息の漢方薬として有名です。

身体から、余分な水を除いて喘息を出にくくします。気管支を広げる麻黄という生薬が入っていて、その生薬に気管支を広げる効果があります。

身体の浮腫等も取る漢方で、とにかく身体の水抜き剤とも言えます。水を多くとりますと、効果が落ちますので、水分補給は控えめの方が良いでしょう。

身体が冷えてきた、湿疹が出た、むくみ、血圧が上がった等の症状があればご一報頂ければと思います。

一日〇回△日出ておりますので、指示通りお飲みください。

主な注意点、副作用等

アナフィラキシー

間質性肺炎

肝機能異常(AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP等の上昇)

冷え(裏寒)

食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢等

添付文書(ツムラ19番)

ツムラ小青竜湯(外部リンク)

ムセキ
ここから下はゆっくりと読んで頂ければと思いますm(_ _)m

小青竜湯についての漢方医学的説明

ムセキ
専門家向けの内容です。

生薬構成

半夏6、甘草3、桂枝3、五味子3、細辛3、芍薬3、麻黄3、乾姜3

出典

傷寒論、金匱要略

条文(書き下し)

「傷寒、表解せず、心下に水気あり、乾嘔し、発熱して咳し、或いは渇し、或いは利し、或いは噎(むせる)し、或いは小便利せず、少腹満し、或いは喘す。」

「溢飲(水気が溜まり浮腫を起こすもの)を病む者は当にその汗を発すべし。大青竜湯 之を主る。小青竜湯もまた之を主る。」

「欬逆(強い咳)、倚息(いそく)、臥するを得ざるは、小青竜湯之を主る。」

「婦人、涎沫を吐するに、医反って之を下し、心下即 ち痞するは、まさに先ずその涎沫を吐するを治すべし。小青竜湯之を主る。」

条文(現代語訳)

「傷寒(冷えによる風邪)にかかり、表証が治らず、みぞおちに水気があり、吐き気があり、発熱して咳をし、あるいは喉が渇き、あるいは尿が出て、あるいはむせて、あるいは尿が出ず、臍(へそ)の斜め下の下腹が張り、あるいは喘息症状が出る。」

「水気が溜まり浮腫を起こしている者は発汗させないといけない。大青竜湯 で治る。小青竜湯もまたこれを治す。」

「強い咳が出、起坐(きざ)呼吸をして、横になれない者は、小青竜湯で治る。」

「女性がよだれを吐いている時、医者が間違えてこれを下し、みぞおちが痞(つか)える者、まずはそのよだれを吐くのを治す必要がある。小青竜湯で治ります。」

解説

小青竜湯は、一般的には鼻水の薬として有名です。

この解説をするまでは、苓甘姜味辛夏仁湯のように杏仁が入っているものと思っていたのですが、そうではないと解って吃驚しています。

鼻水の薬として有名ですが、条文を読んで生薬構成を見てみると、多少その認識が変わってきます。

それぞれから解る事は、半夏が大量に含まれていて、主に柴胡剤や半夏瀉心湯等と同じく心下の水をさばく薬方であるという事です。

また、処方中に麻黄桂枝が入りますので、解表しなければいけない状態、もっと言いますと小青竜湯証は「汗が出ていない」状態と言えます。

五味子は肺気が散るのを押さえるので、この処方の場合は麻黄桂枝を助ける生薬とも言えます。

更に、この証で大切なのは、肌肉部に水が溜まりむくんでいるという事です。

肌肉部の水の溜まりは、顔がむくむ等の症状が一番解りやすい所見ですので、足のむくみとはまた別と考える必要があります。

具体的には上半身に浮腫みが来るという事です。

半夏が入りますので、所見としては乾嘔があり、水滞ですので喉の渇きが出てきます。

更に、乾姜が必要という事は半夏瀉心湯や柴胡桂枝乾姜湯のように腸が冷え、下痢傾向でもあります。

芍薬桂枝麻黄があり、人参などの脾胃剤が入っていませんので、食欲があります。

最後に蛇足ですが、小青竜湯の青竜は、漢方では東を守る神とされています。「草木が青々しい春」の象徴で、代表生薬は麻黄になります。

漢方説明に添えると、患者さん受けがいいです。残りの方角は南が朱雀(鳳凰)、西が白虎、北が玄武となります。

それぞれの神の名前が付いた処方があり、昔はそれらを使いこなせると一人前の漢方家として認められたようです。

しかし、現在は朱雀湯は毒性の強い生薬が入っている為に日本では使えません。また、玄武湯は、現在では真武湯と呼ばれています。

まとめ

まとめます。

小青竜湯は、無汗発熱頭痛、顔の頬が桜色等の表証があり、胃の詰まりと吐気があり、全身に浮腫みがあるもので、喘鳴や咳がある場合というのが目標になります。

鼻水の場合は、その他の所見が小青竜湯なら使っても大丈夫と思います。

付け加えますと、裏寒や脾虚気虚が無いので、体つきは中肉中背以上、食欲はあり、関節の冷えや身体の中心線に沿っての青白い等の所見が無い方の処方となります。

鑑別

小青竜湯の鑑別としては、代表的な処方に真武湯と苓甘姜味辛夏仁湯があります。

また、香砂六君子湯加減(六君子湯合香蘇散)、正理湯(茯苓飲合半夏厚朴湯合香蘇散)等も鑑別対象になりますので書いておきます。

現実には、私の感覚では鼻水の場合は真武湯が合う方が5,6割位です。

残り2割位が香砂六君子湯加減、正理湯辺りで、小青竜湯証の方はあまり現代には見えない印象です。

真武湯との鑑別

真武湯との鑑別ですが、シンプルに裏寒所見での水毒があれば真武湯、解表が必要で顔や肌肉部に浮腫みがあれば小青竜湯という鑑別で良いと思います。

また、真武湯の方がサラサラな鼻水のような感じです。半夏を使わないといけないという事は、それだけ粘度が高い水という事を表しています。

参考記事
【漢方:30番】真武湯(しんぶとう)の効果や副作用の解りやすい説明

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苓甘姜味辛夏仁湯との鑑別

苓甘姜味辛夏仁湯は、小青竜湯の裏処方と言われています。小青竜湯のように表証が無く、麻黄桂枝を必要としない場合に使います。

この処方の場合は、水は発汗して抜くのではなく尿として排泄します。小青竜湯のように見えて表証が無い場合、解表の必要のない場合に使います。

香砂六君子湯加減、正理湯との鑑別

これら2つの処方はあまり聞きなれないかもしれませんが、風邪の後期で咳だけが残った場合に使いやすい処方です。

食欲が有れば正理湯、無い場合は香砂六君子湯加減が選択肢に入ります。

これらの証の時期は、太陰病期になりますので、表証は無く、胃腸の異常が所見として表れてきますので、その辺りで小青竜湯とは鑑別出来ます。

 

お読み頂きありがとうございます。

ムセキ
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