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漢方薬の解りやすい説明

【漢方:30番】真武湯(しんぶとう)の効果や副作用の解りやすい説明

更新日:

ポイント

この記事では、真武湯についての次の事が解ります。

・患者さんへの説明方法、副作用や注意点

・出典(条文)、生薬構成

・詳しい解説、他処方との鑑別

「名古屋漢方.com」のムセキです。

本記事は、真武湯の解説記事になります。

最初に患者さんへの説明例、その後に詳しい処方解説を載せています。日々の業務で使う資料としてご活用頂ければ幸いです。

ムセキ
よろしくお願いしますm(_ _)m

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<急ぎの方用>患者さんお客さんへの説明

ムセキ
私が普段行う説明を書いています。

一般的な説明

今日は真武湯という漢方が出ています。身体の冷えを取り、浮腫みや眩暈などの症状を抑える効果で有名です。

それ以外にも、風邪や身体のだるさ等、様々な症状に効果があります。お困りの〇〇という症状も、冷えと水の毒と考えられたのだと思います。

水分の摂取を少なめにすると、効きが良くなります。一度お試しください。のぼせ、ドキドキする、発疹等の症状があればご一報頂ければと思います。

漢方医処方の場合の説明

今日は真武湯という漢方が出ています。身体の冷えを取り、浮腫みや眩暈などの症状を抑える効果で有名です。

昔から、「身体が冷えている時の葛根湯」とも言われていまして、風邪にもよく使います。

それ以外にも、風邪や身体のだるさ等、様々な症状に効果があり、他の漢方薬と組み合わせて使われる場合もあります。

お困りの〇〇という症状も、冷えと水の毒と考えられたのだと思います。水分の摂取を少なめにすると、効きが良くなります。一度お試しください。

のぼせ、ドキドキする、発疹等の症状があればご一報頂ければと思います。

主な注意点、副作用等

アナフィラキシー

発疹、発赤、そう痒、蕁麻疹等

心悸亢進、のぼせ、舌のしびれ、悪心等

食欲不振、胃痛、胃部不快感

添付文書(ツムラ30番)

ツムラ真武湯(外部リンク)

ムセキ
ここから下はゆっくりと読んで頂ければと思いますm(_ _)m

真武湯についての漢方医学的説明

ムセキ
専門家向けの内容です。

生薬構成

附子0.5、茯苓4、朮3、芍薬3、生姜1.5

出典

傷寒論

条文(書き下し)

「太陽病、発汗し、汗出でて解せず、なお発熱し、心下悸し、頭眩し、身潤動(震え),振振として地に擗れん(倒れん)と欲する者は,真武湯之を主る」

「少陰病,二三日已まず,四五日に至って腹痛,小便不利,四肢沈重疼痛し,自下利する者は,此れ水気有りと為す,其の人或いは欬し(咳し),或いは小便利し,或いは利せず,或いは嘔する者は,真武湯之を主る」

条文(現代語訳)

「太陽病、発汗して、汗が出ても治らず、なお発熱してみぞおちの当たりが動悸して、眩暈があり、震えがあり、地面に倒れてしまいそうな者は真武湯で治ります。」

「小陰病で、2~3日しても治らず、4~5日に至って腹痛、小便が出ない、手足が重くて痛み、下痢するものは水気ありとし、その人が咳をして、あるいは小便が出て、あるいは小便が出ず、あるいは吐き気がある者は真武湯で治ります。」

解説

真武湯は、少陰病期に使われる処方です。一般的には、身体が冷えて非常に状態の悪い場合に使う処方と言われております。

しかし、現代人はストレスや飲食の不摂生で身体が想像以上に冷えています。

また、真武湯は「少陰の葛根湯」と呼ばれている処方で、そう言った意味でも本来ならもっと使用されて良い処方と言えます。

真武湯で目標となる冷えは「裏寒」と言い、身体の中心が冷えて来る状態となります。

表面が逆上せて熱があっても、裏寒性のものの場合は真武湯を使うと熱が取れてきます。

また、他の漢方処方によって陰位に体調が落ち込んでしまうのを防ぐ効果もありますので、様々な処方と組み合わせて出しやすい処方とも言えます。

条文と生薬構成を見ていきます。先に生薬構成ですが、本処方は大きく2つに効能が分かれます。

まずは、附子と生姜により、身体を裏から中焦まで温めます(最終的には肺まで温まります)。

また、朮と茯苓により、組織の水を血液側へ引っ張って尿として排出します。

問題は芍薬で、実はこの芍薬については使用意図が現時点ではよく解っておりません。

一般的には芍薬は陰剤になりますので、温める真武湯には不適なように考えられ、水を除く助けをしているとしている書籍が多いです。

私は、この芍薬は肝の容積を増やす働きを利水目的に使用していると考えております。

肝の容積とお話ししましたが、実際には全身の骨格筋の血流を増やし、そこで組織からの水を一時的に溜める働きとして利用していると思われます。

効率よく水抜きをする、補助剤としての役割を持っているという訳です。

次に、条文を見ていきます。

最初の「太陽病、発汗し、汗出でて~」という文章は、簡単に言いますと、「葛根湯や麻黄湯等の解表剤を使って発汗させても、熱が残っている状態」を指し、「その場合は真武湯を使え」と書いてあります。

よく、葛根湯や麻黄湯を3日分、と出す医師の先生が見えますが、それは間違った使い方で、例えば「葛根湯や麻黄湯を一回分頓服で出して、その後の内服として真武湯を3日分処方する。」という方法が正しいと言えます。

2つ目の条文には、身体が冷えて水が溜まる事による様々な症状が書かれています。

本処方は裏寒ではありますが、芍薬配合の為に食欲が無い場合は不適な処方となります。

また、実熱や陰虚火旺、表証が酷い患者さんにも不適なので、虚実寒熱をきちんと鑑別する事が大事です。

鑑別

真武湯と他方剤との鑑別ですが、その対象には四逆湯類や桂枝湯等類が候補となります。それぞれ個別に見ていきます。

四逆湯類

真武湯と同じく裏寒の処方群となります。よく使われるのは、煎じしかありませんが茯苓四逆湯や四逆加人参湯です。

これらの処方には、芍薬が配されておりませんので、食欲が無い場合に使用します。もし無い場合は、附子理中湯を使用します。

抗がん剤を使用している場合、大抵強い裏寒に陥っています。食欲も落ちている事が多いので、四逆加人参湯一択になります(無い場合は足湯を毎日朝夕)。

桂枝湯類

桂枝湯類との鑑別ですが、これは真武湯に限った話ではなく、四逆湯類も対象に含まれます。

ですので、どちらかと言いますと「温裏剤と桂枝湯類の鑑別」と言えます。

基本的に、生体エネルギー(気)の向きとしては、裏→表→発散(一部回収)となります。裏で気を作り、表に持ち出して発散する訳です。

ですので、裏が冷えていると、表に無理矢理持ち出す訳にはいきません。裏寒を先にチェックしておいてから、大丈夫なら桂枝湯類を使うようにします。

裏寒の所見としては、手首足首等の関節の冷え、壇中と言われる胸の中心の冷え、下腹部の冷え、顔の中心が青黒い、元気が無くてだるい等があります。

逆に、桂枝湯類の場合は、顔が逆上せて頬が桜色、身体全体的に、皮膚を触ると冷たい等です。

自信が無ければ温裏剤をチョイスすると良いと思います。

お読み頂きありがとうございます。

ムセキ
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