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漢方薬の解りやすい説明

【漢方:5番】芍薬甘草附子湯(しゃくやくかんぞうぶしとう)の効果や副作用の解りやすい説明

投稿日:

芍薬甘草附子湯

芍薬甘草附子湯

ポイント

この記事では、芍薬甘草附子湯についての次の事が解ります。

・患者さんへの説明方法、副作用や注意点

・出典(条文)、生薬構成

・詳しい解説、他処方との鑑別

「名古屋漢方」のムセキです。

本記事は、芍薬甘草附子湯についての解説記事になります。

最初に患者さんへの説明例、その後に詳しい処方解説を載せています。日々の業務で使う資料として、ご活用頂ければ幸いです。

ムセキ
よろしくお願いしますm(_ _)m

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<急ぎの方用>患者さんお客さんへの説明

ムセキ
私が普段行う説明を書いています。

一般的な説明

今日は、芍薬甘草附子湯という漢方薬が出ています。このお薬は、筋肉痛、神経痛等の痛みがある場合によく使われます。

今日はどのような症状で受診されましたか?

○○という症状ですね。

お困りの症状に、先生はこれが良いと考えられたようです。このお薬は、筋肉を緩め、痛みを止めてくれますので、一度、試してみてください。

食欲が無くなりますと効き難くなりますので、体調には充分にお気をつけ下さい。

漢方医処方の場合の説明

今日は、芍薬甘草附子湯という漢方薬が出ています。このお薬は、筋肉痛、神経痛等の痛みがある場合によく使われます。痺れがある場合にも使用されます。

こむら返りで有名な芍薬甘草湯に附子という身体を温めて痛みを止める生薬が足されていますね。

今日はどのような症状で受診されましたか?

○○という症状ですね。

お困りの症状に、先生はこれが良いと考えられたようです。このお薬は、筋肉を緩め、痛みを止めてくれますので、一度、試してみてください。

食欲が無くなりますと効き難くなりますので、体調には充分にお気をつけ下さい。

主な注意点、副作用等

アナフィラキシー

偽アルドステロン症

心悸亢進、のぼせ、舌のしびれ、悪心等

添付文書(三和5番)

芍薬甘草附子湯(外部リンク)

ムセキ
ここから下はゆっくりと読んで頂ければと思いますm(_ _)m

芍薬甘草附子湯についての漢方医学的説明

ムセキ
専門家向けの内容です。

生薬構成

芍薬5.0g、甘草5.0g、附子1.0g

出典

傷寒論

条文(書き下し)

「汗を発し,病解せず反って悪寒する者は,虚なるが故なり。芍薬甘草附子湯これを主る。」

条文(現代語訳)

「発汗させ、病気が治らず悪寒するものは、虚しているからである。芍薬甘草附子湯が良い。」

解説

今回は、芍薬甘草附子湯の処方解説になります。この処方は、一般的に冷症で、関節痛や筋肉痛み、麻痺等があるものに使われています。

それでは、まずは条文を見ていきます。条文は、要約しますと「発汗させた後に悪寒するものは芍薬甘草附子湯が良い。」という事です。

非常に簡潔な文章なので、条文だけでは使い方がよく解りません。

ですので一旦保留にして、構成生薬を見ていきます。

構成生薬は、それぞれ、

補陰:芍薬

緩和:甘草

温裏、止痛:附子

の様になります。芍薬甘草湯に附子を足した処方ですね。

芍薬甘草湯は、こむら返りや脚の痙攣等に使用され、臨床現場でも非常によく使われる処方の一つです。只、その効果の強さ鋭さから、使用には注意する必要があります。

漢方薬というのは、陰陽のバランスをどちらかに傾ける働きがあります。芍薬甘草湯はその効果が顕著なので、逆に崩れやすく、注意が必要です。

芍薬甘草附子湯もその特性は同じですが、附子が入る事により身体全体の代謝が上がってその危険性は下がります。

逆に芍薬甘草湯よりも気血が巡りますので、筋だけに効果が留まらずその効果範囲が広がるというのが特性になります。条文にもその特性が現れていますね。

芍薬が裏の陰虚(裏虚)を治し、附子が裏の陽虚(裏寒)を治す。中々バランスが取れた処方と言えます。

裏虚の所見は筋肉の引き攣れや筋が固くなる、裏寒の所見は手首足首の冷え、顔の中心部が青黒い等です。

結局の所、条文の様に発汗後の悪寒で使用しても良いですし、芍薬甘草湯の類方として使用しても問題ない処方となります。

また、本処方には脾虚の生薬は含まれませんので、脾胃(胃腸)の問題は無い事が解ります。

以上まとめますと、芍薬甘草附子湯は「脾虚は無い方で、運動等で発汗した後に寒気がするもの、又は筋肉痛や神経痛、こむら返りや痙攣等があるものに使用する処方。」となります。

繰り返しになりますが、本処方は脾虚がある場合には使用不適となりますので注意が必要です。

鑑別

芍薬甘草附子湯と他処方との鑑別ですが、代表的なものに芍薬甘草湯、真武湯、人参湯、附子理中湯があります。それぞれについて解説していきます。

芍薬甘草湯

芍薬甘草附子湯と芍薬甘草湯は一味違いの処方であり、鑑別対象となります。

芍薬甘草湯は、こむら返りや痙攣等に使用される処方であり、臨床の場でも非常によく使われています。

附子という生薬は身体の裏(内部)を温める生薬であり、使用すると身体全体的に代謝自体を上げる方向に働きます。

そうしますと気血の流れが上がり、処方の効果が広がってきます。

ですので、局所的にこむら返りや痙攣等に使用する場合は芍薬甘草湯、少し範囲を広げて使いたい場合は芍薬甘草附子湯が良いでしょう。

参考記事
芍薬甘草湯
【漢方:68番】芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)の効果や副作用の解りやすい説明

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真武湯

芍薬甘草附子湯と真武湯は使用目標が似ており、鑑別対象となります。

真武湯は、身体の裏を温めながら余分な水を抜く処方となります。芍薬甘草附子湯は甘草の効果で水分貯留傾向となります。

ですので、浮腫みや心疾患、高血圧等がある場合はどちらかというと真武湯の方が良いでしょう。

特に水毒傾向の所見が無く、筋肉痛などがあれば芍薬甘草附子湯が選択されます。この辺りで鑑別が可能となります。

参考記事
【漢方:30番】真武湯(しんぶとう)の効果や副作用の解りやすい説明

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人参湯

芍薬甘草附子湯と人参湯は使用目標が似ており、鑑別対象となります。

人参湯は白朮を含み、気を上に上げる作用があります。

ですので、どちらかというと脾~肺にかけての寒邪をさばきます。顔が全体的に白く、下痢が続く場合には人参湯の方が良いでしょう。

芍薬甘草附子湯の場合、脾虚はありませんので下痢などの症状はあまり出てきません。

その辺りで鑑別が可能となります。

参考記事
【漢方:32番】人参湯(にんじんとう)の効果や副作用の解りやすい説明

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附子理中湯

芍薬甘草附子湯と附子理中湯は使用目標が似ており、鑑別対象となります。

附子理中湯は人参湯と同じく白朮を含み、気を上に上げる作用があります。

ですので、どちらかというと脾~肺にかけての寒邪をさばきます。顔が全体的に青白く、酷い下痢が続く場合には附子理中湯の方が良いでしょう。

芍薬甘草附子湯の場合、脾虚はありませんので下痢などの症状はあまり出てきません。

その辺りで鑑別が可能となります。

お読み頂きありがとうございます。

ムセキ
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