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漢方薬の解りやすい説明

【漢方:314番】梔子柏皮湯(ししはくひとう)の効果や副作用の解りやすい説明

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梔子柏皮湯

梔子柏皮湯

ポイント

この記事では、梔子柏皮湯についての次の事が解ります。

・患者さんへの説明方法、副作用や注意点

・出典(条文)、生薬構成

・詳しい解説、他処方との鑑別

「名古屋漢方」のムセキです。

本記事は、梔子柏皮湯についての解説記事になります。

最初に患者さんへの説明例、その後に詳しい処方解説を載せています。日々の業務で使う資料として、ご活用頂ければ幸いです。

ムセキ
よろしくお願いしますm(_ _)m

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<急ぎの方用>患者さんお客さんへの説明

ムセキ
私が普段行う説明を書いています。

一般的な説明

今日は、梔子柏皮湯という漢方薬が出ています。このお薬は、風邪やアレルギーで熱や炎症が酷い場合によく使われるお薬です。

今日はどのような症状で受診されましたか?

○○という症状ですね。

お困りの症状に、先生はこれが良いと考えられたようです。このお薬は、身体の余分な熱を取って症状を軽くしてくれますので、一度、試してみてください。

身体が冷えたり、食欲が無くなりますと効き難くなりますので、体調には充分にお気をつけ下さい。

漢方医処方の場合の説明

今日は、梔子柏皮湯という漢方薬が出ています。このお薬は、風邪等で熱や炎症が酷い場合によく使われるお薬です。過敏症や湿疹等のアレルギー症状に使われる事もあります。

今日はどのような症状で受診されましたか?

○○という症状ですね。

お困りの症状に、先生はこれが良いと考えられたようです。このお薬は、身体の余分な熱を取って症状を軽くしてくれますので、一度、試してみてください。

苦いお薬ですけど、頑張って飲むようお願い致します。

身体が冷えたり、食欲が無くなりますと効き難くなりますので、体調には充分にお気をつけ下さい。

主な注意点、副作用等

アナフィラキシー

腸間膜静脈硬化症

消化器(食欲不振、胃部不快感、下痢等)

冷え

添付文書(コタロー314番)

梔子柏皮湯(外部リンク)

ムセキ
ここから下はゆっくりと読んで頂ければと思いますm(_ _)m

梔子柏皮湯についての漢方医学的説明

ムセキ
専門家向けの内容です。

生薬構成

山梔子 3.0g、甘草1.0g、黄柏2.0g

出典

傷寒論

条文(書き下し)

「傷寒,身黄,発熱する者は,梔子柏皮湯之を主る。」

条文(現代語訳)

「傷寒で身体が黄色になり,発熱する者は,梔子柏皮湯之が良い。」

解説

今回は、梔子柏皮湯の処方解説になります。この処方は、一般的に発熱やアレルギー等に使われています。

それでは、まずは条文を見ていきます。条文は「寒邪にやられ、身体が黄色くなり発熱する者に使用する。」という事です。

凄く短いですね。ですが、条文に反映されていない使用目標や条件がありますので、それを構成生薬から見ていきます。

構成生薬は、それぞれ

清熱:山梔子、黄柏

緩和:甘草

の様になります。条文と同じく、非常に簡素な構成の処方です。

生薬の性質にも寄りますが、大雑把に「処方の構成生薬が少なければ少ない程、効果は強く鋭く、狭く」なります。

梔子柏皮湯も3味であり、そのうちの2味が作用の強い生薬になりますので、効果の鋭い処方と言えます。

山梔子は肺、心、胃の実熱を取る生薬で、黄柏は腎熱を瀉す生薬となります。また、黄柏は消化管の熱も瀉す効があるものと思われます(百草丸等)。

実熱を瀉す処方と言いますと黄連解毒湯が有名ですが、その黄連解毒湯よりも鋭い効き目が期待できます。黄連解毒湯は両手剣、梔子柏皮湯はサーベルのようなイメージです。

効果が鋭く強い処方という事は、自ずと使えるタイミングや期間、所見が絞られるという事を意味します。

梔子柏皮湯は、とにかくもだえ苦しむ様な実熱の場合に使用しますので、黄連解毒湯と同じ様にすぐに飲めるように準備しておいた方が良い処方と言えます。

また、胃腸や冷えへの対処を考えていない処方となりますので、脾虚、裏寒等にも使用出来ません。

以上まとめますと、梔子柏皮湯は、「風寒の邪気等による急激な発熱や炎症がある場合で、胃腸の虚や冷え等が無いもの。」となります。

応用で使用する場合、各種食物アレルギー等の過敏症状にに使用する場もあります。私も昔経験があり、漢方の師匠先生が本処方を処方して下さり、事なきを得ました。

ちなみに、本処方は非常に苦い薬ですが、私が飲んだ時は爽やかでさっぱりとした飲みやすい味で、飲んで10分もしたら症状が一気に軽くなりました。

証が合うかどうかと味の関連性を自分自身で実体験出来たので、非常に勉強になりました。

本処方は、裏寒脾虚がある場合には不適になりますので、注意が必要です。

鑑別

梔子柏皮湯と他処方との鑑別ですが、代表的なものに黄連解毒湯、三物黄芩湯、白虎加人参湯があります。それぞれについて解説していきます。

黄連解毒湯

梔子柏皮湯と黄連解毒湯は使用目標が似ている為、鑑別対象となります。

黄連解毒湯も、梔子柏皮湯と同じ様に急性の実熱症状に使用します。酒毒の処方として元々は開発されています。

正直な所、黄連解毒湯も梔子柏皮湯も同じ様な効果であり、作用の強弱しかありません。

「黄連解毒湯の方が強力に瀉す」という事を知っていて、裏寒や脾虚の知識があれば、そこまで使い分ける必要は無いでしょう。

急性の炎症に使用しますので、その時手に入りやすいものを使えば良いと思います。

参考記事
【漢方:15番】黄連解毒湯(おうれんげどくとう)の効果や副作用の解りやすい説明

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三物黄芩湯

梔子柏皮湯と三物黄芩湯は使用目標が似ている為、鑑別対象となります。

三物黄芩湯は、手の火照りに使用する処方となります。その条文には「頭痛等は無く」とわざわざ書かれています。

逆に、梔子柏皮湯は「発熱」とあり、頭痛の可能性も否定されていません。また、手だけではなく身体全体の熱症状が目標となります。

その辺りで鑑別が可能となります。

参考記事
三物黄芩湯
【漢方:121番】三物黄芩湯(さんもつおうごんとう)の効果や副作用の解りやすい説明

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白虎加人参湯

梔子柏皮湯と白虎加人参湯は使用目標が似ている為、鑑別対象となります。

白虎加人参湯は日射病熱射病等に使用する処方となります。その所見上の特徴は、喉が渇いて水を飲みたがるという所にあります。

身体に熱が籠もり、水分が失われていっている状態となります。

梔子柏皮湯は急性炎症がポイントであり、喉が渇く症状は無いか合っても軽微です。その辺りで鑑別が可能となります。

参考記事
【漢方:34番】白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)の効果や副作用の解りやすい説明

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お読み頂きありがとうございます。

ムセキ
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