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漢方薬の解りやすい説明

【漢方:27番】麻黄湯(まおうとう)の効果や副作用の解りやすい説明

更新日:

ポイント

この記事では、麻黄湯についての次の事が解ります。

・患者さんへの説明方法、副作用や注意点

・出典(条文)、生薬構成

・詳しい解説、他処方との鑑別

「名古屋漢方.com」のムセキです。

本記事は、麻黄湯の解説記事になります。

最初に患者さんへの説明例、その後に詳しい処方解説を載せています。日々の業務で使う資料としてご活用頂ければ幸いです。

ムセキ
よろしくお願いしますm(_ _)m

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<急ぎの方用>患者さんお客さんへの説明

ムセキ
私が普段行う説明を書いています。

一般的な説明

今日は、麻黄湯という漢方が出ています。

この薬は、インフルエンザや風邪などで、急激に熱が上がっている状態の時に使います。発汗させて解熱させる薬です。

身体が冷えてくると効きが悪くなりますので、冷えに気を付けて規則正しい生活をしましょう。

身体が冷えてきた、胃腸が気持ち悪い、発疹等の症状があればご一報頂ければと思います。

漢方医処方の場合の説明

今日は、漢方では傷寒と呼ばれる邪気にやられた時に出る、麻黄湯という漢方が出ています。

この薬は、インフルエンザや風邪などで、急激に熱が上がりかけている時に使います。発汗させて解熱させます。

発熱頭痛して、下半身や関節が痛い場合によく使います。

身体が冷えてくると効きが悪くなりますので、冷えに気を付けて規則正しい生活をしましょう。

また、熱いお粥を食べると効果が良くなるのでお勧めです。

身体が冷えてきた、胃腸が気持ち悪い、発疹等の症状があればご一報頂ければと思います。

主な注意点、副作用等

アナフィラキシー

偽アルドステロン症

発疹、発赤、そう痒等

不眠、発汗過多、頻脈、動悸、全身脱力感、精神興奮等

肝機能異常(AST(GOT)、ALT(GPT)等の上昇)

食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐等

排尿障害等

冷え

添付文書(ツムラ27番)

ツムラ麻黄湯(外部リンク)

ムセキ
ここから下はゆっくりと読んで頂ければと思いますm(_ _)m

麻黄湯についての漢方医学的説明

ムセキ
専門家向けの内容です。

生薬構成

杏仁5、麻黄5、桂枝4、甘草1.5

出典

傷寒論

条文(書き下し)

「太陽病、頭痛、発熱し、身疼腰痛し、骨節疼痛し、汗なくして喘する。」

「傷寒、脈浮緊にして汗を発せず、よりて衂(じく:鼻血)をいたす。」

条文(現代語訳)

「太陽病で、頭痛、発熱し、身体が痛くて腰痛もあり、関節が痛く、汗が出ず喘息様症状がある」

「傷寒、脈は浮緊で、汗が出ず、鼻血が出る。」

解説

麻黄湯は葛根湯と並んで、風邪の漢方として有名な処方です。インフルエンザの症状でよく出ますが、非常に切れ味が鋭い処方になります。

この処方は、条文を正しく読めるかどうかが重要で、「頭痛、発熱、喘する、鼻血」という症状が上焦の熱の滞りを表しています。

言ってしまえば、頭に気が突き上げている状態です。

また、関節痛や腰痛を始めとする身体の疼痛は、身体の中心部(腎)を動かす太陽膀胱経の後半部分に気が供給されない為に起こります(動きが止まるので、正気が邪気に変化する)。

原因は寒邪によって太陽膀胱経が障害されている事ですが、麻黄湯はその詰まりを取って、太陽膀胱経全体に気を流します。

そうする事で、表裏の機能障害を改善し、熱を身体の隅々まで機能が回復する事で、痛みを改善します。

しかし、麻黄湯は脾虚・裏寒がある方には不適な処方になります。

脾虚というのは病位が太陰病で、また、裏寒は少陰病になりますので、そもそも太陽病の代表方剤の麻黄湯が合っていません。

もし間違って使うと、身体が冷えて、食欲が無くなったり胃腸が気持ち悪くなる等の症状を引き起こします。

麻黄湯の条件として「裏寒・脾虚が無い」というのは非常に重要な確認項目と言えます。

解説の最後に、続服について書いておきます。麻黄湯の続服は非常に注意が必要です。

例えば、脾虚・裏寒が無く、39度近くの熱が出て身体が疼痛して、麻黄湯を飲んで発汗し、熱が37度後半まで下がったとします。

しかし、そこでもう一度麻黄湯を飲む、というのは悪手である可能性が高いです。

例えば、その時点で脾虚・裏寒が無く顔が逆上せている場合、すでに発汗していますので桂枝湯に切り替える方が良いでしょう。

また、37度後半まで落ちた時点で裏寒所見があり、食欲が有る場合は、真武湯を服用すべきです

裏寒所見があり食欲が無ければ、茯苓四逆湯や四逆加人参湯という選択がベストです(これらの四逆湯類はエキス剤がありませんので、無い場合は附子理中湯で代用します)。

鑑別

通常は葛根湯等との鑑別になると思いますが、おそらくどちらを選んでもそこまで大差ないように思いますので、解説に出した桂枝湯と、温理剤(真武湯、四逆湯類)との鑑別を書いておきます。

続服させるかどうか迷った場合に参考にして頂ければ幸いです。

桂枝湯との鑑別

桂枝湯と麻黄湯の最大の違いは、麻黄が入っているかどうかという所です。発汗の有無ですぐ鑑別できます(例外はありますが、基本的に発汗があれば麻黄は要らない)。

また、葛根湯や麻黄湯の方が気が突き上げていて、頭痛発熱の度合いが強いです。

只、桂枝湯も葛根湯も麻黄湯も、裏寒・脾虚がある場合は不適ですので注意が必要です。

参考記事
【漢方:1番】葛根湯(かっこんとう)の効果や副作用の解りやすい説明

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温理剤(真武湯、四逆湯類)との鑑別

麻黄湯と温裏剤との鑑別ですが、これは、桂枝湯類全般に当てはまります。附子と桂枝の効能の差とも言えます。

附子は腎という身体の中心(裏)を温めます。西洋学風に言いますと、身体の内部系(基礎生理)を賦活します。

逆に、桂枝は内部系(裏)で出来たエネルギーを外部系(表、運動機能系)に持ち出して、主に体表を温めます。

内部系(裏)で出来たエネルギーを外部系(表)に持ち出すという事は、内部系のエネルギーの度合いが低いと、外部系にエネルギーに持ち出した場合に内部系のエネルギーが枯渇する事になります。

その、内部系のエネルギーが枯渇した状態を裏寒といいます。

主に、手首、足首、関節、壇中(胸の中心)が冷たい、顔色が青黒いまたは青白い、元気が無い、等は裏寒を疑うポイントです。

裏寒があって食欲が有れば真武湯、裏寒があって食欲もない場合は四逆湯類を使います。四逆湯類が使えない場合は附子理中湯を使います。

裏寒を念頭に入れて漢方の証を決定すると、大きな失敗をしなくなりますのでお勧めです。

お読み頂きありがとうございます。

ムセキ
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以上です。少しでも参考になれば幸いです。以下より、他の漢方記事が検索できますので、宜しければご活用下さい。

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