おはようございます。今日は「実はシンプルな漢方の考え方」という題名で記事を書きたいと思います。
「漢方って考えが難しい」
「何だか例え話ばかりで解かり辛い!」
という声をよく聴きます。でも、それは本当でしょうか?
「奥深さ」を「難しい」と表現するならその印象も理解出来るのですが、「解らない」という事であれば、私は「ピントが合っていないだけ」だと思っています。
確かに難しい用語が多いのですが、それをそのままかみ砕かず鵜呑みにしてしまっているような気がします。要は、解らなければ、解る所までかみ砕いて消化すれば良い訳です。
例えば、漢方を長くされている先生で、専門用語を一杯使う先生と、平易な言葉で解り易く説明する先生。どちらが治療家として巧者でしょうか?
一見前者の方が漢方をよく解っていると思いがちですが、実は「後者の先生の方が巧者だった。」という事もよくあります。
簡単な言葉で解り易く説明できるという事は、それだけ漢方を理解していると言えるのではないでしょうか。
ちなみに、私は漢方を習い始めて10数年経ちますが、まだまだ漢方の初心者から抜け出せません。皆様と一緒に勉強出来ればと思っています。
少し話が逸れましたが、漢方の基本の考え方について、以下に書いてきますのでご参考頂ければと思います。
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気の流れを整えるのが漢方治療
漢方医学とは「体内の気(=エネルギー)の循環をいかにスムーズに行わせるか」という点に主眼を置いた医学です。
ですので、漢方方剤の使用に置いてもその要点を理解し、理をもってその方剤を選択する事が必要になります。
また、その方剤選択において、その周辺の病態(生体、外部環境、時間、季節等)を把握する事が必要となります。
身体内部の冷え(裏寒)
気の循環にとって、最も気を付けないといけないのは、「気の不足」です。
一般的には気虚の症状というと、脾虚(胃腸の弱り)をメインとして考えますが、それが進むと、「裏寒」という状態になります。
これはあまり一般的には重要視されてない状態ですが、極めて危険な身体のショック状態と言えます。
具体的には、内臓が冷えてしまい、新陳代謝が沈衰している状態をさします。原因は、ストレスや生活習慣の乱れ、食生活の乱れ等が挙げられます。
現代人の場合、気付かずこの「裏寒」というショック状態にある事が極めて多く、最近の一般的な漢方の効きの悪さというのもそれが原因となっている事が多いと思います。
気の不足(脾虚≒気虚)
前の見出しで少し出ましたが、脾胃(胃腸)の弱りについても十二分に気を付ける事が必要となります。
胃腸の弱りというと、嘔吐や下痢、胸やけ、食欲不振等が一般的に言われますが、痩せ衰え、元気がない、疲れやすい、口の周りの荒れ、頬の荒れ、アトピー、皮膚の乾燥等も、胃腸の弱りの目安になります。
これは、脾胃(胃腸)という所が全身の栄養状態や温煦、動きのエネルギーを供給しているということの裏返しと言えます。
「補ってから瀉す」、「補いながら瀉す」
現代人は、昔の日本人に比べて弱っているので、裏寒、脾胃の弱りを先に処理し、その後に理気、利水、駆瘀血、解表、補血、補腎等の治療を行って循環を改善し身体を調和させる事が重要となります。
身体の冷えや胃腸の弱りを取って、不要な邪気を去って巡りを改善させ、最終的には下半身を充実させる事が目的となります。
また、それと同時に「生きている事への感謝」「他人への思いやり」の心を育む事も、漢方治療の重要な目的と言えます。
お読み頂きありがとうございます。
以上です。少しでも参考になれば幸いです。以下より、他の漢方記事が検索できますので、宜しければご活用下さい。 続きを見る
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