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名古屋漢方

読めば解る漢方雑話

陰陽五行説と五臓曼荼羅から面白い事が解ったよ(´- `*)

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はてな

五臓曼荼羅ってどうやって漢方と合わせて使うの?

という疑問に沿って書いて行きます。

「名古屋漢方.com」のムセキです。Twitterで栄西禅師の「喫茶養生記」をある先生にご紹介頂き、買って読んでいました。

丁度その直後に、その本の話が別の薬剤師の先生数人から出、色々やり取りをさせて頂いていました。

色々とお話する中で、その本にある五臓曼荼羅について、「どうやって使うんだろう?」という疑問が出てきました。

読んだ内容の中で、五臓曼荼羅が面白かったので、Twitterで色々な方のお話を伺いながら、個人的にも色々と調べてみました。

とは言いましても、私自身は漢方をちょっと知っているだけの薬剤師でしかありませんし、仏教は臨済宗でも天台宗でも無いので、詳しい所はよく解りません。

ムセキ
ちなみに、私はスティーブ・ジョブズと同じ曹洞宗です。

ですが、まあ素人なりに「簡単に何とか使えないかな?」と考えて調べてみた事、今までの漢方の経験から判明した事をこの記事で書いて行きます。

現代科学からすると荒唐無稽ですし、お茶でも飲みながら話半分で聴いて頂けると幸いです。それでは、よろしくお願いします。

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結論は「五臓曼荼羅は病んだ精神に対する答え。」

ムセキ
いきなり結論書きます。

私が調べて色々と考察していたのですが、結論は「五臓曼荼羅は、それぞれ五臓が病んだ際に現れる精神異常に対する答え。」になりました。

肝・心・脾・肺・腎がそれぞれ病むと、順に怒・喜・思・悲・恐という感情が現れます。解りやすいのが柴胡剤を使う肝鬱の病ですが、他の臓もそれぞれ出てきます。

これは、荒唐無稽なようで、よく漢方学的に患者さんを観てみますと、確かにそうなっています。

そして、その感情が現れた際、その感情の乱れを整えるという方法を図示したものが五臓曼荼羅だと言えます。

この五臓曼荼羅は胎蔵曼荼羅を元に作成されているようです(形から推測)。

ですが、胎蔵曼荼羅は方角の配置が五臓と違い、上手く合いません。

どちらが正しいのかという議論もありますが、それはここでは横に置いておいて、それらが解消されている五臓曼荼羅を使用していきます。

五臓曼荼羅の使い方(概論)

ムセキ
冒頭の図は、元々の五臓曼荼羅を簡略化したものになります。

栄西禅師の喫茶養生記では、色々と音や印形が言われています。

しかし、私はそれではちょっと現代的ではないと思い、アプローチ方法を少し変えて使いやすく冒頭の図のようにしてみました。

その図の使い方を説明します。各仏の配置は次のようになります。

ポイント

北(腎):弥勒菩薩(釈迦如来)・・・絶望の暗闇を照らす光としての仏

東(肝):薬師如来・・・身体のストレスや毒を消し去る解毒の仏

南(心):虚空蔵菩薩・・・宝・知恵・喜びの仏

西(肺):阿弥陀如来(観音菩薩)・・・悲しみを癒す慈悲の仏

中央(脾):大日如来・・・悟り、全ての仏。

この配置は、喫茶養生記の配置そのままにしています(その他wiki等でも調べています)。

これらの仏の性質をよく見ると解りますが、これらの仏はそれぞれ、五臓が病んだ時に現れる精神異常に対する対処法と言いますか、答えになっている事が解ります。

また、これらの仏が自分自身の中の五臓に宿っていると考え、それらの力を引き出すイメージで自分の身体に向かって各仏を拝むと、精神のケアからか、身体の異常が軽減するのを何となく感じます(私は、ですが。)。

個人的には何となく良い感じがするのは、薬師如来、阿弥陀如来(観音菩薩)です。以下の見出しより、各論に入ります。

五臓曼荼羅の使い方(各論:北・冬・腎・弥勒菩薩・釈迦如来)

ムセキ
冬の仏。闇を照らす光。自灯明ですね。

漢方の五行説では、腎が弱ると「恐」が出てくると言われています。絶望や恐れという感情もそれに当てはまります。

何かショックな事があると身体が冷えて裏寒という状態になりますが、これも腎の部類に入る身体の異常になります。

また、老化と共に下半身が弱ってきますが、これは腎虚という状態で、これからの人生に不安を感じやすくなります。

癌になりやすいのも腎虚が原因である場合が多いです。このような時、その不安や絶望を解消する方法が「自灯明」である弥勒菩薩(釈迦如来)になります。

自分自身の恐れの中に一筋の光を射すように、希望を思いながら弥勒菩薩を意識してみましょう。

肝腎なのは、自分の心の中に弥勒菩薩が居られ、自分自身が光を出すようなイメージで手を合わせるという事です。

他のものを頼るのではなく、自分自身を信頼する事が大事です。

弥勒菩薩・釈迦如来を併記させて頂いておりますが、これは、釈迦如来の次、末法の世の中に現れるのが弥勒菩薩とされているからです。

対応する漢方薬は真武湯、附子理中湯、四逆湯類、八味地黄丸、牛車腎気丸、六味丸等になります。

感覚的には、腎虚の場合は大日如来も併せてイメージした方が良さそうな感じです。まだこの辺りは不明点が多い部分ですので調査中です。

五臓曼荼羅の使い方(各論:東・春・肝・薬師如来)

ムセキ
春の仏。身体の毒やストレスを消して、身体の新陳代謝を活発にします。

漢方の五行説では、肝に気が詰まったりして熱を持つと「怒り」が出てくると言われています。

ストレスや怒りを感じた場合や、「身体に毒が溜まったなあ。」と思う方、解毒証体質や等の柴胡証の方にお勧めです。

自分の中の薬師如来の力(身体のストレスや毒を消す力)を活性化させるような意識を持って、手を合わせましょう。

柴胡剤や瀉肝剤を服用されている方にお勧めです。意識的に、自分自身の中の細胞に語り掛けるように、朝の爽やかな日差しの中で身体の毒が抜けるイメージを持つと良いです。

対応する漢方薬は、上でも触れましたが柴胡剤や瀉肝剤、その他にも建中湯類等も当てはまります。

建中湯類の場合は、脾の位置の大日如来と共に頭に思い浮かべると良い感じがします(これも調査中です。)。

五臓曼荼羅の使い方(各論:南・夏・心・虚空蔵菩薩)

ムセキ
夏の仏。宝・知恵・喜びを主ります。

虚空蔵菩薩は、他の方角の各仏と違い、そのまま「今在る物に対して」感謝するという気持ちで手を合わせると良いでしょう。

これは、特に心気虚に対して非常に効果的です。漢方処方で言いますと、帰脾湯証や人参養栄湯証に当たります。

精神虚弱などの状態にも良いですが、脾に位置する大日如来、腎に位置する弥勒菩薩と合わせてイメージしながら手を合わせると良いと思います。

これは、心気虚の原因が腎―脾―心のラインに存在する事がその理由だと思われます(調査中)。

五臓曼荼羅の使い方(各論:西・秋・肺・阿弥陀如来・観音菩薩)

ムセキ
一番効果を実感しやすいと思います。

阿弥陀如来(観音菩薩)は慈悲の仏として有名です。悲しみが強い時に、心に浮かべて手を合わせてみましょう。

阿弥陀如来、観音菩薩は、非常に現実的に使う場面が多いと思います。私も、上司に理不尽な事で叱責された時に観音様を思い浮かべながら心の中で手を合わせました。

阿弥陀如来&観音菩薩は他の各仏と違い、思い浮かべながら手を合わせるだけで、自動的に心が和らぎます。この辺りは不思議です。

対応する漢方薬は、甘麦大棗湯になります。冷えも来る場合がありますので、その場合は弥勒菩薩と共に頭に思い浮かべて手を合わせると良いでしょう(この組み合わせは非常に良い感じがします)。

五臓曼荼羅の使い方(各論:中央・土用・大日如来)

ムセキ
東西南北の各仏は、大日如来の化身となります。

最後は、中央、脾の位置の大日如来です。大日如来と各仏の関係ですが、一般的に「東西南北の各仏は、大日如来の化身」とされています。

一見、理由も何も無い様に見えますが、実はこれこそが漢方の失われた部分となります。

漢方は、道教がその理論基盤となっており、その最たる書物は老子道徳教になります。その中で、老子は「道に近い所に居れ。」と説いています。

つまり、「陰陽の違いなどというのは些細なもので、その奥の道が大事。」という事になります。

漢方の成立&変遷過程で、何故かこの視点が蔑ろになり、「道」についても深く考察する事が行われなくなりました

。陰陽五行説で言いますと、陰陽よりも気血水(津液)、五行を主体とした理論展開がされるようになった訳です。

そのように、広がる、遠心性の方向への発展というのは、老子道徳経に書かれている事と真逆の方向になります。

本来ならば、五行より気血水(津液)それよりも陰陽、最終的に道が重要とされるべきです。

そう言った経緯もあり、失われた漢方の求心性の流れは文献には残って居ないのかと今まで思っておりました。

栄西喫茶養生記で知った五臓曼荼羅は、漢方学的には「失われた漢方理論」そのものになるという事で、そういう意味でも非常に良い事を教えて頂きました。

教えて頂いた方、お話させて頂いた方には本当に感謝です。前書きが長くなりましたが、五臓曼荼羅、中央の使い方を説明して行きます。

中央の大日如来は、全ての仏の大本とされています。この部分に当てはまるものは、漢方では「思」という感情になります。

ここは、解りにくいのですが、「思う」事、即ち「~したい。」という思い、我欲になります。

例えば、胃が詰まると欲が大きくなって、「我が強い」状態になります。自分が自分がの状態になると言い換えても良いです。

このような場合は、漢方では厚朴剤を使います。

逆に、脾胃が弱り過ぎてしまうと、喜びを感じる心のエネルギーである心気が不足します。これは帰脾湯証という病態になります。

また、胃に湿邪が溜まった場合は、その思いが歪みます(湿っぽい、陰鬱な言動になります)。このような場合は半夏白朮天麻湯を使います。

大日如来を思い浮かべて、手を合わせる時は、このような我欲が消えていくイメージを持つと良いでしょう。

また、逆に四君子湯証のように脾虚気虚が甚だしい場合は、身体全体を養うようなイメージで手を合わせると良いでしょう(調査中)。

ここで解る事は、脾胃という部位は、弱すぎても強すぎても駄目という事です。

対応する漢方は、すでに出ましたが半夏厚朴湯や平胃散等の厚朴剤や半夏白朮天麻湯、四君子湯、帰脾湯等となります。

また、大日如来は全ての仏の化身であるという所から、各臓での不調に対して大日如来を思い浮かべて手を合わせる、という方法も取る事が出来ます(調査中)。

まとめ

ムセキ
とりあえず解った所まで記事にしました。

五臓曼荼羅の簡単な使い方は如何でしょうか?感覚的な事が多くなってしまったのですが、少しでも参考になればと思います。

この五臓曼荼羅、まだまだ掘り下げて行ったら面白いものが出てきそうです。また、折を見て発表したいと思いますので、その時はまたよろしくお願いします。

少し余談ですが、喫茶養生記を書かれた栄西禅師は臨済宗のお坊さんで天台宗のお坊さんでもあります。

この五臓曼荼羅は天台宗の方から出ているようですが、この図は禅宗と密教、漢方の知識を使って描かれています。

今回の解説記事を書いていて思ったのは、「禅というものは、感覚的に悟り(道)に向かう様に出来ているのに対し、曼荼羅というものは理詰めで悟りに向かう様に出来ているのではないか。」という事です。

理論的に道に向かう求心性の働きが出るという事は、陰陽五行説の不完全な部分を補うもので、自分自身にとって漢方治療を行う上で大切な気付きでした。

森道伯先生も、漢方治療と密教での心の治療をされていたと文献(漢方一貫堂医学)にありますし、その様な治療方法は漢方家にとって理想の治療であると思います。

もう少し、この五臓曼荼羅を突き詰めていき、またフィードバックしていきます。

ちなみに、この五臓曼荼羅は京都の高山寺に保管されているようです。一回実物を見たいものですね。

お読み頂きありがとうございます。

ムセキ
他の記事も宜しくお願い致します。

以上です。少しでも参考になれば幸いです。以下より、他の漢方記事が検索できますので、宜しければご活用下さい。

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