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漢方薬の解りやすい説明

【漢方:16番】半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)の効果や副作用の解りやすい説明

更新日:

ポイント

この記事では、半夏厚朴湯についての次の事が解ります。

・患者さんへの説明方法、副作用や注意点

・出典(条文)、生薬構成

・詳しい解説、他処方との鑑別

「名古屋漢方.com」のムセキです。

本記事は、半夏厚朴湯の解説記事になります。

最初に患者さんへの説明例、その後に詳しい処方解説を載せています。日々の業務で使う資料としてご活用頂ければ幸いです。

ムセキ
よろしくお願いしますm(_ _)m

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<急ぎの方用>患者さんお客さんへの説明

ムセキ
私が普段行う説明を書いています。

一般的な説明

今日出ている処方は半夏厚朴湯と言います。

喉の詰まりがある場合によく出る印象があります。喉の詰まりはありますか?(無くても気鬱等の気分不良でも使います。)

喉の詰まりで処方の場合

名前の通り半夏と厚朴が主に効いて、胃の詰まりを取って、喉の詰まりを治します。梅核気とも言い、英語ではヒステリーボールとも言います。

食事を少なめにすると、漢方薬が良く効いてきます。消化に良いものを食べて下さいね。

身体が冷えてきた、変な咳が出だした、下痢、お腹が張る等、その様な症状があればご一報頂ければと思います。

一日〇回△日出ておりますので、指示通りお飲みください。

喉の詰まり以外で処方の場合

〇〇という症状で先生は出されたんですね。このお薬は、胃の詰まりを取って上半身の巡りを良くする効果があります。

気分が優れない、憂鬱な気分にも出されますので、〇〇という症状がそういったものだと考えられたようですね。

一回、飲んでみて下さい。この漢方は、食事を少なめにすると良く効いてきます。消化に良いものを食べて下さいね。

身体が冷えてきた、変な咳が出だした、下痢、お腹が張る等、その様な症状があればご一報頂ければと思います。

一日〇回△日出ておりますので、指示通りお飲みください。

漢方医等処方の場合

今日出ている処方は半夏厚朴湯と言います。

喉の詰まりがある場合によく出る印象があります。喉の詰まりはありますか?(無くても気鬱等の気分不良でも使います。)

一番よく使われるのは喉が詰まる症状ですが、それ以外でも気分がすぐれない、ストレスが溜まる、言いたい事が言えない等の不調等あれば、そういうものも改善します。

この漢方は、胃の詰まりを取る薬ですので、食事量を少なくすると効きが良くなります。消化に良いものを、少し少な目に摂るのがコツです。

体が冷えてきた、変な咳が出だした等の症状があればご一報頂ければと思います。

一日〇回△日出ておりますので、指示通りお飲みください。

主な注意点、副作用等

アナフィラキシー

食欲不振、元気が出ない(脾虚、気虚)

冷え(裏寒)

添付文書(ツムラ16番)

ツムラ半夏厚朴湯(外部リンク)

ムセキ
ここから下はゆっくりと読んで頂ければと思いますm(_ _)m

半夏厚朴湯についての漢方医学的説明

ムセキ
専門家向けの内容です。

生薬構成

構成生薬:半夏6、茯苓5、生姜1、厚朴3、蘇葉2

出典

金匱要略

条文(書き下し)

「婦人、喉中に炙臠(しゃれん:炙った小さい肉)有るが如き証。」

条文(現代語訳)

「女性の、喉に炙った肉があるようなものを治す。」

解説

半夏厚朴湯は少し特異な漢方で、胃の薬ではありますがこの処方は瀉剤です。この部分をはっきりとしておくと、後の処方理解が楽になります。

さて、この処方は瀉剤という事をお話しましたが、その根拠は厚朴にあります。

他の厚朴配合処方もそうですが、厚朴という生薬は胃の食積を除きます。ですので、半夏厚朴湯は温めはしますが、食べ過ぎで胃が参っている状態に使い、胃を動かす事で喉の詰まりを取ります。

その結果、喉中炙臠を治す処方となります。ですので、処方説明の際に「食べ過ぎ注意」というアドバイスをするのはこの為になります。

食べ過ぎると、それだけ食積を除くのに力と時間が必要になります。

ここから先は、厚朴証の場合の特徴を少しご紹介します。胃という臓器は「胃は意なり。」と言われるように、人の意志を司ると言われています。

極端に言えば「〇〇したい!」という欲望になります。

厚朴証の方は、日常で自分の意志を周りに伝えられず、黙って我慢している事が多くなります。

そうしますと、顔はこわばり、人から見たら固い雰囲気を醸し出すようになります。

具体的には、頬の当たりを中心に、顔が全体的に固い感じがします(脾胃の司る肌肉に余計な気が溜まる訳ですから、そうなるのは当然と言えます)。

ですので、望診のポイントとしては、固い雰囲気を醸し出していたら厚朴証を疑っても良いと言えます。

鑑別

半夏厚朴湯と他処方との鑑別としては、大きな所では柴胡剤との鑑別と脾胃剤との鑑別があります。

この2系統の処方との鑑別で失敗し、証決定をミスする治療家が多く見えます。まずは、柴胡剤との鑑別を書いていきます。

柴胡剤と厚朴剤の鑑別

実際の臨床において、この二つの鑑別に失敗しているケースは非常に多くあります。

酷いものになりますと、「解らないので両方合わせて出してしまえ!」みたいな処方も時たまあります(柴朴湯の誤用)。

柴胡剤と厚朴剤は、症状は似ていますが全く別の病態ですので、その辺りの鑑別は大事になります。

柴胡剤と厚朴剤

具体的には、柴胡剤は「目」がおかしくなります。よく漫画で「狂った目つき」が描かれる事がありますが、そのような目になる事が多いです。

また、自分の意見を絶対に曲げないという所があります。何を言っても自分の世界に閉じこもっている印象です。こちらのお話で納得して頂けることは非常に稀な印象です。

また、切診が出来るのであれば、胸脇苦満の有無で鑑別が出来ます。

厚朴証の場合は、ひとしきり自分の意見を一気に喋る事が多いです。

人に自分の意見を「聞いて聞いて!」とばかりに喋るか、若しくは人の意見を聞きません(こちらが説明していても、ムスッとした顔で黙っています。頑固職人さんの顔つきです)。

ですが、納得して頂けるとスッとこちらの話を聞いてくれます(この差が柴胡剤との差で解りやすいと言えます)。微妙な差ですが、それが大きな差になります。

脾胃剤との鑑別

脾胃剤との鑑別ですが、これは比較的簡単です。即ち、厚朴証の方は食欲があって、脾胃剤の方は食欲がありません。

厚朴証の方でも、時たま「食欲が無い」とお見えになる事が有りますが、身体を見てみるとガッシリして肉付きが良かったり、知らず知らずのうちにお菓子をつまんでいたりします(お腹が一杯になって食欲がなくなる)。

その辺りで鑑別していけば、すんなりと鑑別出来ると思います。

参考記事
【漢方:32番】人参湯(にんじんとう)の効果や副作用の解りやすい説明

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ムセキ
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