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漢方薬の解りやすい説明

【漢方:9番】小柴胡湯(しょうさいことう)の効果や副作用の解りやすい説明

更新日:

この記事では、小柴胡湯についての次の事が解ります。

・患者さんへの説明方法、副作用や注意点

・出典(条文)、生薬構成

・詳しい解説、他処方との鑑別

「名古屋漢方.com」のムセキです。

本記事は、の解説記事になります。

最初に患者さんへの説明例、その後に詳しい処方解説を載せています。日々の業務で使う資料としてご活用頂ければ幸いです。

ムセキ
よろしくお願いしますm(_ _)m

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<急ぎの方用>患者さんお客さんへの説明

ムセキ
私が普段行う説明を書いています。

メイン

一般的なもの

今日のお薬は、小柴胡湯と言います。

風邪が長引いている時等、何かしらストレスが身体に溜まって、それが元で身体の新陳代謝が上手く回らなくなった場合によく使われる漢方です。

最近では、風邪だけではなく色々な病気に使われるようになっています。

吐き気や熱、便秘がある場合が多いですが、そのような症状はございますか?また、食欲はありますか(小柴胡湯の場合は食欲はあまりない事が多い)?

ストレスが取れると、お困りの○○(患者さんの症状)も楽になってくると思いますし、食欲も回復してくると思います。

このお薬ですが、飲んでいく中で冷えや下痢など起こす事がありますので、そのような症状が出てきたらご連絡下さい。

また、頻度は多くないのですが、変な咳等が出てきたら、それもご連絡お願い致します。
一日〇回△日出ておりますので、指示通りお飲みください。

漢方医処方等、専門的なもの

今日のお薬は小柴胡湯と言います。お薬の名前に柴胡とありますが、この薬は、この柴胡がポイントになります。

元々は風邪が長引いている時等、ストレスが身体にひっかかって、上下の巡りが悪くなっている場合に、よく使われる処方です。

しかし、最近ではその他に色々な慢性病に使われる事が多い薬です。

先生は右の横隔膜の下辺りを触られていたと思いますが、そこが固くなってくるのが、この薬を選ぶ決め手になっています。

この処方の場合、上半身は何か、吐き気があったり、熱っぽい等の余分な力や熱が溜まっている事が多いのですが、そういう症状はありますか?

また、食欲はこの薬が合う方はどちらかと言うと無い事が多いですが、その辺りは如何でしょうか。

(答えが返って来てから)○○という症状が、恐らくそういうものに当たると先生は思われたのだと思います。

ストレスが取れると、お困りの○○(患者さんの症状)も楽になってくると思います。

身体が冷えてきた、変な咳が出だした等、その様な症状があればご一報頂ければと思います。

一日〇回△日出ておりますので、指示通りお飲みください。

主な注意点、副作用等

アナフィラキシー

間質性肺炎

偽アルドステロン症

肝機能異常(AST、ALT、ビリルビン値上昇等)

胃腸障害

泌尿器障害

冷え(裏寒)

添付文書(ツムラ9番)

ツムラ小柴胡湯(外部リンク)

ムセキ
ここから下はゆっくりと読んで頂ければと思いますm(_ _)m

小柴胡湯についての漢方医学的説明

ムセキ
専門家向けの内容です。

生薬構成

柴胡7、半夏5、黄芩3、人参3、甘草2、生姜1、大棗3

出典

傷寒論、金匱要略

条文(書き下し)

「太陽病,過経十余日,反て二三之を下し,後ち四五日,柴胡の証の在る者には,先ず小柴胡湯を与う,嘔止まず,心下急,鬱々微煩する者は,未だ解せずと為すなり,大柴胡湯を与えて,之を下せば,則ち愈ゆ」

「傷寒四五日、身熱、悪風し、頚項強ばり、脇下満ち、手足温にして渇する証。」

「婦人の中風、七八日続いて寒熱を得、発作時有り、経水たまたま断つ証。」

「陽明病、脇下硬満し、大便せずして嘔し、舌上白苔の証。」

「傷寒、差えて巳後、更に発熱する証。」

「諸黄、腹痛して嘔する証。」

、他多数条文有り。

条文(現代語訳)

「太陽病が,十余日経ち,反ってこれを2,3度瀉剤で下し,その後四~五日経ち,柴胡の証の在る者には,先ず小柴胡湯を与える,嘔き気が止まらず,みぞおちが激しくこわばり,鬱々として少し苦しむ者は,未だ表証が残っているとし,大柴胡湯を与えて,之を下せば,すぐに治ります。。」

「風邪をひいて四~五日経ち、身に熱を持ち、悪風して、うなじ、喉首がこわばり、脇の下が張り、手足は温いが喉が渇くもの。」

「婦人の風邪、七~八日続いた後に熱が上がったり下がったりし、たまに苦しみ、おりものが途切れ途切れになるもの。」

「陽明病で、脇下が硬く貼り、大便が出ずに嘔き気があり、舌上に白苔があるもの。」

「傷寒(冷えによる風邪)、治療を行い日にちが経ったが、更に発熱するもの。」

「黄疸、腹痛して嘔き気があるもの。」

解説

小柴胡湯は、大柴胡湯と違い、風邪の中後期だけではなく、種々の病に対して、柴胡の証があれば頻用されていた事が、傷寒論と金匱要略の条文の多さから読み取れます。

この処方は胸脇苦満と心下痞硬が所見でありますが、症状に嘔気と往来寒熱はあり、食欲が無い事がポイントです。

後で詳しく書きますが、その辺りが大柴胡湯や柴胡桂枝湯等との鑑別に繋がります。

本処方も、風邪の長引いている者に使用するのが本来の使い方ですが、今日では、ストレスによる慢性病に使われる場合も多い処方です。

どちらの症状で診てもらったのかを患者さんに予め聞いておくと、その後の説明がかなり楽になります。

この処方の合う方は、肝鬱が甚だしく、上焦に吐き気や発熱などの気の異常が出てきます。

特に、肝鬱の特徴として、眼に異常が出てきます。小柴胡湯の場合、ストレスで鋭い目つきになっている方が多いです。

生薬構成を見てみますと、柴胡(疎肝)で胸脇部の詰まりを取り、黄芩で上焦の熱を去り、半夏(去痰)、生姜(温陽去湿)、人参(捕脾)、甘草(緩和)、大棗(分散)の組み合わせで脾胃の痰を取り捕脾します。

つまり、この処方は、肝に熱が溜まって上焦に熱状と嘔気があり、胃腸の虚がある為食欲が無い患者が対象となります。

この処方を使用する場合は、配合生薬に温裏剤等が含まれていない為、裏寒の患者には不適な処方となります。

医師の処方が出ている場合は、裏寒が甚だしい場合は問い合わせ、そこまで酷く無ければ足湯やレッグウォーマー等で身体が冷え込まないようフォローする事が必要となります。

鑑別

処方鑑別を書いていきます。

小柴胡湯と迷う処方は、基本的に大柴胡湯の項目と同じ様に肝熱を伴うものになります。

大柴胡湯との違いですが、小柴胡湯は、大柴胡湯に入っている芍薬や枳実等の生薬が抜け、代わりに人参や甘草が入っています。

これの意味する所は、脾胃の虚があるかどうかで、大柴胡湯は脾胃の虚が無く、逆に胃実ですので、食欲はあります。

しかし、小柴胡湯は脾胃の虚が存在する為、食欲が無いという点で大柴胡湯と鑑別出来ます

小柴胡湯と大柴胡湯の記載のある傷寒論の条文で、小柴胡湯を先に飲ませるよう指示がありますが、これは小柴胡湯で脾胃の虚を治してから、大柴胡湯で毒を出して完治させる為と考えられます。

お読み頂きありがとうございます。

ムセキ
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