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過去漢方資料(理論)

漢方の基礎(六病位)

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*ここでは、私が前に居た薬局を去る際、後任の薬剤師の為に書いた漢方の資料を多少加筆して掲載しています。稚拙な文章ですが、笑ってご容赦頂きますようお願い申し上げます。また、少しでもご参考にして頂ければ幸いです。

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六病位概論

ムセキ
「傷寒」と呼ばれる病邪との闘いの段階を6つの病期に分けた考え方です。

陰陽という概念を身体の病気に対応させる際に、三陽三陰、計六つの病位に分けます。

陽≒実、陰≒虚として見る事が多いのですが、例外も多いので注意が必要です。現実には、これら六病位が単体で存在することはまれで、合病や併病、潜証も多く寒熱錯雑としている場合が殆どです。

今回、以下の六病位に分けますが、それは「生体全体を診てどの病位を指すか。」という診方になります。

六病位各論「太陽病」

ムセキ
治療していく上で、一番重要なのは誤治をして裏寒に陥らせない事です。

病邪との闘病反応が盛んで発熱し、風寒の邪が表の表(体表)にある状態です。

実証であり、主に発表を行い病邪を発散する方法が取られます。頭痛、悪寒、項脊が強張る事が多いです。

代表方剤は、葛根湯、麻黄湯、桂枝湯、大小青竜湯等。但し、現実には、太陽病と思われていても、実際には隠れた裏寒が存在したり、発汗させすぎて裏寒に陥らせてしまうケースが後を絶ちません。

太陽病の方剤を使う場合は、「身体に何らかの虚が無い」事や、発汗の「程度」を調節しながら、裏寒を念頭に置いて治療する必要があります。

六病位各論「陽明病」

ムセキ
陽明の病は裏まで熱なので、身体の中心を表す部分も熱が蝕知出来ます。

病邪との闘病反応が盛んで発熱し、風寒の邪が表の裏(主に胃腸)にある状態です。

実証であり、主に清熱瀉下を行い病邪を排出します。目の痛み、潮熱、便秘、口渇等が所見です。

代表方剤は、白虎加人参湯、大承気湯等があります。陽明病の特徴として、裏に熱の本体があります。虚熱の場合にはこの熱が逆に寒になるので、身体の中心を表している部位が青黒くなったり、触ると冷えていたりします。

しかし、周囲は赤黒くなる場合もありますので、「顔が赤いから陽明病」と言ってしまうのは早計です。中心に冷えがある場合は裏寒になりますので対処が逆になります。

六病位各論「少陽病」

ムセキ
柴胡剤の出番です。この病期の時は根本治療しやすい時期かもしれません。

病邪との闘病反応が拮抗し、間歇的に発熱し、風寒の邪が表裏の中間点に存在する状態をいいます。

表裏の間を行ったり来たりしますので、熱が出たり引っ込んだりしていつまでも治らない状態が続きます。嘔吐、口苦、胸脇苦満、往来寒熱、口臭等が所見になります。

肝胆に邪が入り込むので、起こりやすくなったり、目に異常が出てきたりします。酷い場合は上熱下寒の状態も呈します。

代表方剤は、小柴胡湯、大紫胡湯等の柴胡剤があります。また、補中益気湯も柴胡を含みますので柴胡剤の一種になります。

六病位各論「太陰病」

ムセキ
主に脾胃の弱りが目立っている病期です。

病邪との闘争反応に負けて差し込まれ、風寒の邪が裏の表にある状態をいいます。

虚証であり、補気、補陰等を行い病邪に対する身体の闘病反応を回復させます。太陰病期と言っても、その病態は細かく分かれますので、どの方剤を使うかは慎重に吟味が必要です。

腹満、虚労、小便自利、気虚等が所見になります。代表方剤は、四君子湯、桂枝加芍薬湯、小建中湯等です。

六病位各論「少陰病」

ムセキ
裏の冷えである「裏寒」の病期。誤治「治療を失敗」して知らずにこの病期になっている事も多いです。危険な病期。

病邪との闘争反応に負けて差し込まれ、風寒の邪が裏にある状態をいいます。

虚証であり、温補等を行い病邪に対する身体の闘病反応を回復させます。実際には、現代人はこの病位である事が多く、見た目に反して非常に身体が弱っていると言えます。

舌や口の乾き、だるさ、喉の痛み、冷え等が所見となります。代表方剤は、真武湯、四逆湯等です。

六病位各論「厥陰病」

ムセキ
経を温める事で全身の循環を改善する病期です。

病邪との闘争反応に負けて差し込まれ、風寒の邪が表裏の中間にある状態をいいます。

丁度、少陽病とは表裏の関係の病態であると言えます。虚証であり、全身の気血の通り道(経)が冷えている為に、陰陽が逆転してしまっています。

生体の反応としては、上熱下寒の病態を呈します。この状態は一見熱があるために、太陽病や陽明病に間違われやすく、誤治を起こしやすいので注意が必要です。

治療としては、温補や身体のバランスを改善させることで、病邪に対する身体の闘病反応を回復させます。肩こり、頭痛、煩渇、手足の冷え等を呈します。

代表方剤は、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、呉茱萸湯、四逆湯等です。

以上です。少しでも参考になれば幸いです。以下より、他の漢方記事が検索できますので、宜しければご活用下さい。

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