こんにちは。今日は「食養と生活の指導」という題名で記事を書きたいと思います。
漢方薬を飲んでいても、
「効果が出てこない。」
「上手く行かない」
という事はよくあると思います。残念ですが、漢方を飲んでいても、食生活や生活習慣が良くないと良い効果は出てきません。
漢方の効果を、食生活が足を引っ張っている事になります。漢方を効かせる為に、食養と生活指導は非常に大切になってきます。
そのポイントを以下にまとめてみましたので、ご参考頂ければと思います。
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食養の基本
食事は和食を基本として、その中でも白いご飯とお味噌汁を中心として根菜類の煮付け等を摂られると良いと思います。
ご飯は身体を温め、五臓の気を養います。また、お味噌汁は腎を養い、身体の元気の源になります(補腎、温裏)。
どうしても時間の無い場合は、カップみそ汁でも良いので飲んでおくと、身体を温めるのに効果的です。
摂取を避けるもの
冷飲冷食、生野菜、野菜ジュース、甘いもの、脂質、果物、肉、コーヒー、牛乳や乳製品、多量の水等は避けた方が良いでしょう。
これらは身体を冷やし、胃腸を壊します。裏寒、脾胃の弱りを引き起こします。場合によっては玄米も避けた方が良いでしょう。玄米は消化が悪いので、脾胃の状態が悪い場合は逆効果です。また、暴飲暴食も脾胃の虚や裏寒を引き起こしますので避けましょう。
冷飲冷食
冷飲冷食は身体を冷やします。胃を冷やすので胃に湿が溜まりやすく、身体にも寒湿によるむくみを引き起こし、更には裏寒を引き起こす要因となります。水毒が身体に溜まると、それにより気の循環が阻害され、病気の治癒を遅らせます。
生野菜、野菜ジュース
生野菜、野菜ジュースは冷飲冷食と同じく身体を冷やします。火を入れて温かい状態で食べましょう。また、野菜ジュースは水分が身体の水毒の一因となります。
甘いもの、脂質
脂質は性味が甘であり、甘いものと同義になります。
甘いものは脾胃を養いますが、摂りすぎると脾胃を疲れさせて逆に弱らせます(陰陽調和の崩れ、脾胃の虚を起こす)。
更に、土克水(脾胃が腎を過剰に抑える)により腎を弱らせ、身体が冷え、最終的には糖尿病や高脂血症を引き起こす要因になり、寿命を縮めます。
また、脾胃が強くなりすぎる事で相対的に木である肝も旺する為、ストレスに弱くキレやすくなったり、気の上行による頭痛や肩こりの原因となったりします。
果物
果物は「甘い水」と捉えることが出来、水毒、裏寒の原因になります(上記参照)
肉
肉は地黄等と同じく、身体の血を養う食品です。栄養(陰)が足りずにぐったりとしている場合(気血両虚、補腎等)に使用すると劇的に効が出ます。
しかし、肉は消化に重く、多量摂取で食滞、水滞、脾胃の虚等を引き起こしやすくなります。
コーヒー
コーヒーは味が苦く、南米原産の飲料となります。暑い国原産の飲み物は、身体の余分な熱を瀉す作用が強く、身体が冷えている場合に摂取すると、余計に身体を冷やします。
また、苦味でストレスを一時的に逸らしますが、同時にコーヒーはその強心作用で心熱を増し、心気虚心血虚を引き起こす原因となります。
また、心が旺する為、肺も焼け、上熱下寒になりやすくなります。言い換えると、コーヒーは下半身を冷やし、上半身を熱し、精神不安や心の弱りを引き起こしやすくなります。
乳製品
牛乳をはじめとするチーズやヨーグルト等の乳製品は、黄帝内経素問にて身体を冷やす、と記載があります。
乳製品は消化に重く、漢方学的にはカルシウムの補充より脾胃の虚を引き起こすという事を重視します。脾胃の虚は、やがて裏寒に繋がります。
毎日の食卓に乳製品が出る事は、慢性的に脾胃の虚や裏寒を引き起こしている原因ということと言えます。カルシウム不足を心配されるようでしたら、魚介類、根菜類での摂取を御勧めしましょう。
水分摂取
最近は、水飲み健康法と称して、水を沢山飲むという事をテレビや一般的な西洋医の先生に推奨されています。
漢方学的に考えますと、漢方は身体の調和が重要と見ますので、水を多量摂取すると、陰陽のバランスが壊れてしまう可能性があると考えます。
水の多量摂取は、身体が冷え、元気が無くなり、考える力ややる気も低下してきます。漢方の効きも悪くなりますので、御勧めできません。
薬の服用に関しても、少量の白湯と説明すると良いでしょう。
玄米
玄米は、よく繊維や栄養の面から食べられている方が多いのですが、逆に、その繊維と栄養が、脾胃を酷使してしまい脾胃の虚や食滞に繋がる場合も見られます。
御粥にしたり柔らかく炊いたりして、消化に良いように工夫をして食べる事が重要だと思います。
また、あまりにも脾胃が弱っていたり、裏寒が存在する場合は、白米や白米の御粥を食べた方が良いでしょう。
生活の基本
生活の基本は、ストレスを少なくして、心を穏やかにし、早寝早起きを心がけ、生かされている事や現状の自分に感謝をしながら過ごすということが大事になります。
更に、周りに対して良い事をすると、尚良いでしょう。これらを行う事で、心身の安定が図られ、漢方の効果も良く出てきます。
避けるべき生活習慣
冷え、ストレス過多、頑張りすぎ、遅く寝る、ゲーム、不安、後ろ向きな考え等は、身体を弱らせ、治療を妨げます。
冷え
特に下半身(その中でも足首)の冷えを避ける必要があります。
下半身は下焦で腎の支配下にあります。下半身の冷えは裏寒を引き起こし、身体の新陳代謝を沈衰させてしまいます。漢方の効きも悪くなります。
ですので、股引やレッグウォーマー、腹巻などで、下半身を冷やさないよう注意する必要があります。
ストレス過多
ストレス過多は、肝熱の原因となり、また、差し込まれると胆経の詰まり、胃実、裏虚、裏寒、脾虚などの様々な病気を引き起こします。外因だけではなく内因、不内外因など多数のストレスがあるので、無理をせず、あまり色々と考えずに心を落ち着かせる事が治療の要となります。
頑張りすぎ
頑張りすぎは陰を傷り裏虚を起こし、血虚を引き起こし、気虚を引き起こし、最終的には裏寒を引き起こします。
まだやれると思っても、ある程度余力を残して終了する事が重要となります。
寝るのが遅い
夜は身体の陰を補う時間です。昼間、疲れずに十分に身体を動かす為にも、夜は早く寝て(10時。遅くとも12時)、十分に身体を休める事が重要です。
ここで休んでおかないと、身体に無理をかけてしまい、気虚、血虚(長期的に)、裏寒、色々な原因に付随して起こる水滞、瘀血など、様々な異常を引き起こします。
ゲーム
ゲームは、肝熱を引き起こし気を上に上げてしまい、のぼせ、肩こり等の原因となります。
また、キレやすくなります。裏虚の原因になることもあります。肝の異常は脾胃の異常にもつながり、太りやすくなります(肝熱犯胃による胃熱等)
不安
不安が大きいと心肺の機能異常を引き起こし(肺気虚、心血虚、心気虚、他)、自律神経の失調を引き起こします。
そうなりますと、肺の治泄に不全を起こし、衛気が弱くなりストレスに負けやすくなり、風邪をひきやすくなります。
気分の沈みに従って、猫背気味になり、肩こり頭痛が起こりやすくなります。
後ろ向きな考え
後ろ向きな考えは、上記に記載(不安)したように、心を弱くして、種々の症状を引き起こします。元気を出して生きましょう。
お読み頂きありがとうございます。
以上です。少しでも参考になれば幸いです。以下より、他の漢方記事が検索できますので、宜しければご活用下さい。
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