
基礎漢方問題集100
こんにちは。「名古屋漢方」ブログのムセキです。
本記事は、漢方臨床でよく出会いがちな症例の練習問題になります。
X(旧Twitter)にて問題を作って投稿しておりましたが、数が溜まりましたのでブログで公開します。
問題は全部で100問あり、そのうち1問目〜10問目までを本記事にてご紹介しています。全てオリジナルで、以下の作り方で作成しています。
①実際に経験した症例を改変したもの
②身近な人物や出会った方の証を元に作成
③テレビで観た有名人を証決定して作成
そのため、Xでは、「妙に生々しい。」というコメントを頂きました。
実際の証決定が元になっていますので、処方や病気(身体の不調)等の例に偏りがあります。
また、漢方用語については出来るだけ平易なものを使用しておりますが、解らない用語が出て来ましたら、順次ネットや本でお調べ頂くようお願いいたします。
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漢方問題1
問題
子供一人有、30代女性。口の周りの荒れ有り。華奢だが明るく元気。食べ過ぎでの胃もたれを起こしやすい。
少し頬が赤い。受け答えは普通。イライラした様子は見られない。
下記の中で服薬候補に上がる処方はどれ?
選択肢
十全大補湯
加味逍遥散
平胃散
安中散
答え
漢方問題2
問題
2歳女児の夜泣き。中々寝てくれない。両親共働きで保育園にいる時間が長い。家では便通は普通か軟便が多い。感受性が強く、他の子が泣いていると貰い泣きする。癇癪は今のところ無し。
最も合うと考える処方はどれか?
選択肢
甘麦大棗湯
小建中湯
抑肝散
黄耆建中湯
答え
漢方問題3
問題
20代男性、一人暮らし。1月後半、朝早くにゴミ出しに行き、戻ってきたら身体が冷えきりガタガタ震えが止まらない。
後頭部から首にかけて固く痛い。汗は無く尿も少し出にくい。普段、食欲や便通は問題なく、至って健康。冷え性等もない。
最も合うと思われる処方はどれ?
選択肢
麻黄湯
猪苓湯
真武湯
葛根湯
答え
漢方問題4
問題
3月中旬、40代男性の相談。鼻水と皮膚の痒みが強くなってきたとのこと。毎年春が調子悪いと。
ガッシリしていて、食欲問題無し。裏寒所見(冷えの自覚、だるさ、顔の中心部の青み等)無し。目付きが鋭く、聞けば「仕事でかなりのストレス」とのこと。
一番合うと考えられる処方はどれ?
選択肢
葛根湯加川芎辛夷
小青竜湯
辛夷清肺湯
荊芥連翹湯
答え
漢方問題5
問題
6月。40代女性から相談。先日出産したが、後陣痛でお腹が痛くて何とかして欲しいとのこと。夜も寝られず困っているようです。やせ形体型、普段から食が細く、冷え症気味、声や受け答えが柔らかい方。
どの処方が一番合うと思われるでしょうか?
選択肢
芎帰調血飲
芎帰膠艾湯
苓桂朮甘湯
苓姜朮甘湯
答え
漢方問題6
問題
30代男性。「営業職をしているが、最近寝付きが悪い。仕事中、疲れてボーッとすることもある。」と。普通体型、頬が赤く、目が少し虚ろ。食欲はあるとのこと。顔の中心部は青くない。
一番合うと思われる処方はどれ?
選択肢
十全大補湯
人参養栄湯
帰脾湯
補中益気湯
答え
漢方問題7
問題
20代女性。細身で色白。食欲もあまり無い。感情が表に出ず、おとなしい。表情も乏しく、顔全体が白い。不眠とやる気が出ない事、仕事中ミスが多い等が気になり相談に見えた。
受け答えも静かでどこかボーッとしている。怒気は感じない。どの処方が一番合うと考えられるでしょうか?
選択肢
補中益気湯
帰脾湯
人参養栄湯
甘麦大棗湯
答え
漢方問題8
問題
50代女性。15歳の娘さんと一緒に相談に見えた。天気の変化に敏感で、気分が優れない日がたまにあるとのこと。背格好は普通、食欲もあり、冷え性、だるさ等無いとのこと。
唇の色が悪く、舌下静脈が腫れている。気分のイライラ等はなさそう。
最も適当と思われる処方は?
選択肢
香蘇散
安中散
芎帰調血飲
温経湯
答え
漢方問題9
問題
14歳男性。母親と一緒に相談に見えた。陰部湿疹とのこと。疲れやすく、髪の毛も抜けやすい気がし、寝付きも悪いと。
背が高いが身体つきは細い。顔が逆上せている。食欲有。学校も休みがち。目がどことなく虚ろ。○○と真武湯を飲んで貰うことにした。
○○に入る最も適当だと考える処方は?
選択肢
柴胡加竜骨牡蛎湯
桂枝加竜骨牡蛎湯
八味丸
六味丸
答え
漢方問題10
問題
70代後半男性。少し前まである行政府の長をしていた。喉の詰まりと胸焼けで相談に見えた。とにかくよく喋り、我田引水。話を遮って脱線する傾向。ガッシリした体格で元気。食欲過多傾向、お酒は控えているとのこと。顔の赤みや頭痛はない。一番合うと思われる処方は?
選択肢
六君子湯
平胃散
安中散
半夏厚朴湯
答え
さいごに
ここまでお読みいただきありがとうございます。
これらの漢方問題は、私が日常的に出会った症例になりますので、逆に言いますと日常的に出会いやすい症例といえます。
繰り返し問題を解いていただき、皆様の漢方勉強のお役に立てれば幸いです。