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漢方やってみたいんだけど、どんな資格があるのかな?
漢方を扱える職種で、どれがおすすめか解らない・・・。
このような疑問にお答えします。
「名古屋漢方.com」のムセキです。漢方に関わる仕事をしたい方からの質問で多いのは、
「漢方を扱える資格ってどんなのがあるんですか?」
というものです。
私も漢方を扱える資格の一つである「薬剤師」資格を持っておりまして、漢方を含む医薬品に関わる法律等にも仕事でよく関わっています。
その辺りから、日本で漢方を扱える資格について比較しながらご紹介したいと思います。
本記事で、それらについての疑問が解消される事を願ってます(「漢方=漢方薬」としてお話しますm(_ _)m)。
この記事では以下の事が解ります。
ポイント
・漢方を扱える資格は医師、歯科医師、薬剤師、登録販売者の4種
・それぞれの資格において漢方を扱える範囲
・鍼灸師資格が漢方を扱えない理由
・民間資格では漢方は扱えない理由
・薬膳資格や他国認定の資格での注意点
・タイプ別おすすめ資格
鍼灸師が入っておらず歯科医師が入っていますので、意外に思われた方も見えると思います。
それぞれの資格について、どんな感じで漢方と関わることが出来るのか、また、注意点やお勧め資格等をご紹介します。
それでは、早速行きますね。よろしくお願いしますm(_ _)m
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漢方を扱える資格は医師、歯科医師、薬剤師、登録販売者の4種類
見出しの通りですが、日本において漢方を仕事として扱える職種は、医師、歯科医師、薬剤師、登録販売者の4種類になります。
医師、薬剤師、登録販売者は、「確かに」という感じですが、歯科医師も扱う事が出来るのはあまり知られていません。
歯科医師の場合は、歯科に限りという制限の範囲内で漢方の処方を出す事が出来ます。この辺りは、歯科医師の見出しの所で詳しくご紹介します。
ちなみに、今何もこれらの資格を持っていない状態で「どれが良い?」と聞かれた場合、私はほぼ100%近く「登録販売者」と答えます。
詳しくは登録販売者の見出しでお話しますが、コストパフォーマンスのバランスが非常に高いというのがその理由です。
それこそヒューマンアカデミー(通信講座)で資格勉強して、試験に合格すればすぐに働くことが可能ですので、「漢方面白そう。やってみようかな?」と思われている方にはピッタリな資格と言えます。
少し話が逸れました。まずは、医師資格から見ていきます。
医師の資格で漢方を扱える範囲
最初は医師資格からご説明します。
医師は、西洋薬は勿論の事、漢方について、一部を除いてほぼ全ての処方を扱うことが理論上可能です。
患者の触診も可能ですし、何よりの病気を診断出来る資格、というのが大きいです。漢方を扱える範囲は、一番広いと言えます。
しかし、制限が全く無いわけではありません。
まず、全額自費の診療も可能ですが、基本的には保険診療になりますので、現実的には保険で扱うことの出来る処方(医療用医薬品)に限られる傾向にあります。
また、病院勤務の場合、その病院に漢方の処方がコンピューターに登録若しくは在庫されていない場合は処方を出す事が困難です。
それに加え、生薬を使って煎じ薬を出したい場合、その病院若しくは近くの薬局に生薬の取り扱いが無い場合、処方を出す事が困難になります。
逆に言いますと、その辺りの制限事項が無くなれば、自由に処方が可能であり、現に、保険を使わない自費診療を行っている個人医院(クリニック)も存在します。
保険診療の場合、漢方や生薬の在庫等、周りの薬局等と相談しながら出来る範囲で漢方を処方している病院・個人医院が大半です。
後、蛇足ですが、薬局・薬店等で医薬品の管理者にはなれません。言い換えますと、医師資格では漢方薬局は開けないという事になります(必要ありませんが)。
医師になるには、各医科大学で医学部に進学して、6年勉強して卒業し、国家試験に合格する必要があります。
ですので、例えばZ会LeadwayやスタディサプリLIVE、個別指導塾スタンダードのような予備校や通信講座に申し込まれて、大学進学に向けて勉強する事が第一歩となります。
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歯科医師の資格で漢方を扱える範囲
次は、歯科医師の資格をご説明します。
歯科医師の場合は、診療できる科が歯科だけになりますので、それに関連する処方しか出す事が出来ません。
漢方薬の場合、例えば立効散と呼ばれる処方がありますが、この薬は歯痛の適応がありますので歯科医師でも処方が可能となります。
ですので、全身を診なければいけない漢方とは、あまり相性の良くない資格と言えます。
歯科医師になるには、医師と同じように各歯科(医科歯科)大学で歯学部に進学し、6年勉強して卒業し国家試験に合格する必要があります。
ですので、医師と同様にZ会LeadwayやスタディサプリLIVE、個別指導塾スタンダードのような予備校に申し込み、大学進学に向けて勉強する事が第一歩となります。
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薬剤師の資格で漢方を扱える範囲
薬剤師資格の場合は、医師や歯科医師と違い、診断が出来ません。
また、触診も不可になりますので、基本的には薬局や薬店(ドラッグストア)に見えたお客さんと話をして、漢方を勧めて買って頂くという感じになります。
この場合、保険は使えませんので、全て自費での購入になります。
「漢方薬局は保険が使える。」と言われる方がたまにお見えですが、それは間違いで、この場合も全て自費での購入になります。
また、薬剤師は調剤行為が可能な職種です。
医師、歯科医師の処方せんに基づいて医薬品を調剤し、患者さんの体調や薬の副作用、飲み合わせ等々をチェックして患者さんに効果や注意点等を色々説明して渡すという仕事をしています。
漢方を渡す際にも説明が有るかと思いますが、その説明内容によって、患者さんの治療が上手く行くか行かないかが決まる事もあり、地味ですが重要な職種です。
薬剤師の扱える漢方の法律的な区分ですが、医療用医薬品(調剤、若しくは必要最小限に限り自費での販売)、全ての一般用医薬品(処方箋無しで販売出来る医薬品)、薬局製剤(法律で決められた種類の医薬品を作って販売出来る)になります。
まとめますと、診断(触診含む)は出来ず、調剤以外では自費での販売になりますが、条件付きで一部を除いて全ての漢方を扱える職種と言えます。
薬剤師になるには、医師や歯科医師と同じように、各薬科(医科、医科薬科)大学で薬学部に進学し、6年勉強して卒業し国家試験に合格する必要があります。
ですので、医師、歯科医師と同様にZ会LeadwayやスタディサプリLIVE、個別指導塾スタンダードのような予備校に申し込み、大学進学に向けて勉強する事が第一歩となります。
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登録販売者の資格で漢方を扱える範囲
最後は登録販売者資格です。
登録販売者は、薬剤師の資格から調剤を除き、一般用医薬品の区分も第二類医薬品、第三類医薬品に限定して扱う事が出来る資格になります。
こう書きますと、漢方の扱いをかなり限定された資格と思われるかもしれませんが、実際はそうではありません。
調剤という業務は、基本的に医師や歯科医師の処方せんの通りにしか薬を出せませんので、自分で処方を選択するという事はありません。
また、漢方は第二類医薬品と第三類医薬品にしか製品が無く、漢方に限って言えば一般用医薬品の全てを扱う事が出来ると言えます。
薬局製剤が扱えないのはデメリットですが、「一般用医薬品の漢方製品全てを扱える。」というのは非常に大きなメリットだと言えます。
また、登録販売者はその資格条件が緩く、受験資格に学歴・実務経験は不要となりました(前は薬局やドラッグストアでの実地経験が必要でした)。
正規の登録販売者になった場合、自分自身の資格のみでお店が持てるというのも大きなポイントです。
薬剤師から見た場合、コストパフォーマンスが高すぎる資格だと言えます(正規の登録販売者の場合は自分でお店が持てて、しかも受験資格が「学歴不問・実務経験不問」というのは驚きです)。
登録販売者になるには、ヒューマンアカデミー等の資格取得支援サービスで試験勉強をして、試験に合格すればなれます。
具体的には、各都道府県で年一回行われる試験に出願し、合格すれば貰えます。試験日程が県によってズレていますので、現実には複数日受験が可能となっています。
6年間大学に通って、という事をしなくて良いので、漢方を扱う資格ではコストパフォーマンスが一番高い資格と言えます。
看護師、鍼灸師の資格で漢方を扱えない理由
前の見出しまででで、漢方を扱える4職種をご紹介しました。この見出しでは、看護師と鍼灸師が漢方を扱えない理由について書いて行きます。
まず看護師ですが、看護師が行う医療行為は、基本的に医師の指示が必要になります。
自分の職責の元で漢方処方を出す事は勿論、薬局等においても医薬品管理者にはなれません。
ですので、漢方を扱う事は看護師資格では出来ません。また、鍼灸師の資格ですが、実は「鍼灸師」という資格は日本には存在しません。
それぞれ、鍼とお灸を出来る資格は分かれており、それぞれ「はり師」「きゅう師」と言われます。
両方の国家資格を取得した方に対し、一般的に「鍼灸師」と呼ばれている、という訳です。
前置きが長くなりましたが、鍼灸師資格においても看護師資格と同じく、漢方を調剤したり販売する事は出来ません。その様な資格ではないからです。
ですので、この2職種の方が「漢方やりたい」と思われた場合、上記の4種類の資格を別に取得する必要があります。
薬膳や他国の資格での注意点
漢方の資格関連で、この記事を書く段階で気になった事がありましたのでお話します。
Web検索すると解るのですが、薬膳資格や他国認定の漢方関連資格が上位に表示されます。
あたかも、「この資格をとれば漢方を扱える!薬膳で仕事が出来る!」という感じに見えますが、これらの資格では漢方を扱う仕事には就くことは出来ません。
殆どが民間の資格であり、法的効力を何も持たないものばかりです。
中には他国認定の国際資格というのもありますが、日本においてはそれも民間資格の一種であり、それを取っても漢方を扱う仕事に就く事はできません。
あくまで、「医師、歯科医師、薬剤師、登録販売者」のうちのどれかが必要になりますので、ご注意下さい。
とは言え、これら民間資格は自分の知識を深めたり箔を付けたりする場合には有効ですので、そのような理由でしたら取得されても良いと思います。
タイプ別おすすめ資格
最後に、漢方を扱える資格4種類のうち、タイプ別におすすめ資格をお話します。読んで頂ければ、あなたに合う資格がきっと見つかると思いますよ。
おすすめなのは、医師、薬剤師、登録販売者
ずっと4つの資格のお話をしてきましたので、「えっ?!3種類?」と思われるかもしれません。
歯科医師がここで外れたのは、「漢方を扱える資格ではありますが、歯科に限られる。」という事が理由です。
つまり、漢方はその性質上全身を対象とする医学になります。ですので、歯科だけに限られる歯科医師は漢方をメインで扱うには不向きな資格と言えます。
ですので、漢方を扱う資格のお勧めは、医師、薬剤師、登録販売者の3資格になります。それでは「各資格に合うのはこんな方。」というのをご説明していきます。
医師の資格はこんな方にお勧め!
医師資格を目指せる方は、とても幸せな方です。個人の質は置いておいても、医師資格を目指すには、非常に高いコストと長い時間をかける必要があります。
大学が6年、医師資格を取得しても研修医で2年。計8年かかります。
そこから、専門科に進みますが、そこで研鑽を重ねて、自分のやりたい事を出来るのは10年かかると見た方が良いです。
その時間と1000万を超えるコストを考えた場合、目指せる方は本当に限られてきます。
繰り返しになりますが、もし、これらを乗り越えて医師を目指せるのであれば、とても幸せだと思います。
チャンスがあるのであれば、是非目指して欲しい資格です。
医師になるには、大学進学へ向けて勉強する事がスタートになりますので、Z会LeadwayやスタディサプリLIVE、個別指導塾スタンダードのような実績のある予備校を利用ながら勉強されるのが良いでしょう。
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薬剤師の資格はこんな方にお勧め!
薬剤師資格は、私が持っている資格になります。私が取った時は4年制でした。
今は6年制に移行していますので、昔よりコストパフォーマンスが若干悪くなっている印象です(お金の面で)。
薬剤師も、高い倫理観が求められる資格ですが、働き方が非常に多様性に富んでいるのが特徴です。
病院、薬局、ドラッグストア(薬店)、大学で研究者、製薬企業、医薬品卸、治験コーディネーター、メディカルライター等、思いつくだけでもこれだけあります。
調剤を通じて患者さんのお役に立ちたい、薬局で地域に根差して貢献したい、と思っている方にオススメの職業です。
また、賃金の特徴として、選ぶ就職先で年収がガラッと変わってきます。400万以下~1000万超と、2倍以上の開きがあります。
ですので、就職先を選ぶ際は、年収も確認しておく必要があります。
薬剤師になるには、大学進学へ向けて勉強する事がスタートになりますので、医師と同じくZ会LeadwayやスタディサプリLIVE、個別指導塾スタンダードのような実績のある予備校を利用ながら勉強されるのが良いでしょう。
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登録販売者の資格はこんな方にお勧め!
最後に登録販売者の資格になります。この資格は他の3資格に比べれば歴史が浅く、まだまだ新しい資格になります。
ですが、非常にコストパフォーマンスの高く、社会人、主婦&主夫、医歯薬学部以外の学部の学生さんが取得されるのには最適な資格と言えます。
漢方薬を扱いたいんだけど、医師薬剤師までのコストはかけられない!という方には非常にオススメの資格になります。
特に鍼灸師の方は、登録販売者資格があれば、大部分の漢方の扱いが可能ですので、取らない手はありません。
登録販売者資格の取得を目指される場合は、しっかりと勉強されて試験に望まれた方が安心かと思います。
独学よりは、ヒューマンアカデミー等の通信講座を利用されるのが無難です。
漢方の世界はとても楽しいですし、知っておくと自分や周りの人の健康にも気を付ける事が出来ます。
また、漢方を扱える資格を取れば、仕事でもそのスキルを発揮する事が出来ますので、オススメです。
貴方も、資格を取って一緒に漢方を楽しみませんか?もし漢方の勉強をされるようでしたら、「名古屋漢方.com」を是非宜しくお願い致します!