こんにちは、「名古屋漢方.com」の無石です。今日は、気の流れを捉える技術について、記事に書こうと思います。
西洋医学には無いこの概念について、中々説明も難しく、ましてやその「流れを捉える」という事を文章にするという事ははっきり言って無謀だと私自身も考えています。
でも、無謀な挑戦も駄目で元々、やってみないと解らないという部分もありますので、記事で書いてみます。
気ってあるんですか?
無茶な。
でも、あるなら気の流れが解るようにはなりたいけど。
それではよろしくお願いしますm(_ _)m
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気についての簡単なまとめ
気についての漢方医学での取り扱いや定義についてはここでは詳しくは触れませんが、4点程、ポイントを挙げたいと思います。
①気は2種類に分けられます
気については、陰気と陽気に分ける方法(寒熱、温涼等)がありますが、ここでの分け方は物質的な気と非物質的な気です。
漢方では一つにまとめて気と表現しますが、例えば、物質的な気は「電気」「磁気」「光」「音(波動)」が例として挙げられます。
逆に、非物質的な気は、「雰囲気」「イメージ」「言葉の意味」「感覚効果(視覚、聴覚、触覚等)」「情報」「情緒」等になります。
②気の源は神
気は神より派生しています。
下のリンクより行ける記事を読んで頂いて、ご参考になればと思いますが、元々が神(道)という事と、気を司る肺は心(神臓から派生している)という事が理由となります。
続きを見る「初心忘るべからず。」は漢方の真髄だった、という話。
③身体の気の流れ
身体の気の流れは、ある一定方向に向いています。基本的には経絡の陰経は昇り、陽経は下ります。
また、大きな視点では身体の全面は陰で背面は陽になりますので、気は身体の腹部では昇り、背面で下がります。
④気の滞りがある場合、上焦に異常が出る事が多い
これは経験的に解っている事ですが、気の滞りがある場合は、手を含む上半身(上焦)に異常が出てきます。
例えば、逆上せた場合に眩暈やふらつき、頭痛が出ますし、喘息の場合は気管支の炎症です。
そうでなくても、肩こりというのは気の詰まりそのものになりますので、肩こりがある場合は何かしらの気の異常があるという事になります。
気の流れを捉えられないと治療が正確に出来ない
単純に言いますと、気の流れを掴めないと正確に漢方方剤を決定する、要は証決定に自信が持てないです。
例えば、所見で2択になった場合に感覚勝負になる事があります。
その時、各方剤を飲んだと仮定して気の流れが掴めると、迷わず方剤決定が出来ます。
私の漢方の師匠先生は、毎回、最後にこの気の流れの確認を行ってから証を決定して処方を出されています。
知識は感覚の邪魔になる場合がある
正直、バランスが本当に難しいのですが、知識や理論がしっかりと構築されている人は、逆に感覚勝負が苦手という印象です。
漢方の名医と呼ばれている方は、古文漢文、何かしらの芸術が好きだったり、情緒豊かな方が多いのですが、それは、漢方診断を間違わない為に感覚を大事にされている裏付けになるのかもしれません。
このブログも、理論ガチガチ気味になっていますが、書いている私はかなりいい加減ですし、音楽もよく聴きます。極力、季節の流れを感じながら生活したいと思っています。
気の流れを捉えるコツ
前書きが長くなってしまいましたが、気の流れを捉えるコツとしては、とにかく感覚を鋭くしていく他ありません。
美しい夕日を見、群青色の空を眺め、新緑の若葉を楽しみ、美術館で芸術に触れ、音楽を聴いてリラックスする事が、感覚を鋭くする手助けになると思います。
また、神社等に行って、日々の生活を無事に送らせて頂いている事への感謝を奉納したり、お仏壇で手を合わせてご先祖様に感謝の気持ちを送るという事でも、結果的に感覚を鋭くする助けになります。
結局、感覚を研ぎ澄まして、日々に感謝しながら生活する事が近道だと私は考えています。
神社参拝
気の流れを掴むコツという上の見出しでも少し触れましたが、神社参拝は感覚を鋭くするのに非常に良いと思います。
神様に感謝奉納も出来ますし、一石二鳥になります。
鳥居の中は結界内であり、その内外での差を感じる事は理想の気の流れを体感するという事になります。
漢方が合う感覚は、私は神社の結界内に入った感覚と同じ様に感じます。一番は、地域の一宮に参拝されると良いと思います。
もし「何も解らない」という方が見えたら、少し距離がありますが伊勢神宮に参拝されてみては如何でしょうか。
伊勢神宮の中と外で、自分自身の気の流れは全く違いますので、その感覚を感じて見られると良いと思います。
漢方を飲んだ時に現れる気の流れ
最後に、正しい証決定が出来て、身体に合った漢方方剤を飲んだ場合の身体の変化を書きます。
実は、面白い事に補剤も瀉剤も同じような感覚になります。
飲んでから5分10分位の話ですが、上半身の余分な力が抜け、リラックスし、お腹が温まってきます。
気分も楽になり、足元も温かくなります。補中益気湯でも、黄連解毒湯でも「方剤が合えば」同じような感覚になります。
これは、証に合った漢方を飲むと、気が巡るからだと私は思います。恐らく、巡った結果、滞留している気の流れが解消される為、気分が良くなるのでしょう。
このような状態を「頭寒足熱」と言います。漢方方剤は、全て、証に合うと「頭寒足熱」の方向に身体が振れます。
まとめ
どうしても「気の流れを捉える」という事は感覚勝負の部分があり、それを説明しようと思うと無理が出てきます。
しかし、気の流れというモノ、感覚が少しでも伝える事が出来たのであれば幸いです。
感覚は磨くしかありませんので、少しずつ取り組んで頂けたらと思います。
慣れてくると、漢方の名前を思い浮かべ、患者さんの身体を見てみると、それが合うか合わないか「感覚で解る」様になります(達人になりますと、見ただけで「〇〇(身体の部分)の気の流れが悪いね。」というのが解る様になります)。
お読み頂きありがとうございます。
以上です。少しでも参考になれば幸いです。以下より、他の漢方記事が検索できますので、宜しければご活用下さい。
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