こんにちは、「名古屋漢方.com」のムセキですm(_ _)m
記事末のリンクから飛べますが、以前、漢方入門者の方向けにお薦め本を紹介させて頂きました。今回は、漢方をかなり学ばれてきた方にお薦めの本をご紹介いたします。
このレベルの本になりますと、お薦めは非常に沢山あるのですが、その分値段も高くなってきます。
ですので、その中でも「これは外せない!」というものを絞って「漢方の実力を伸ばす為に持っておきたい本」として、ご紹介させて頂くことにしました。m(_ _)m
このクラスの本って高いんだよね。
お金が・・・。
漢方は、100年200年のスパンでは使い方が根底から変わる事はほぼありません。
ですので、良い本は一生使っていく事が可能です。
今回ご紹介する本は全部持っていますが、私の場合はちょっとずつ「お金に余裕が出てきた時」に買い揃えました。
只、欠品してしまう可能性が高いものもありますので、今回は解りやすく優先順位をつけています。
また、ご存知の本もあるかもしれませんが、その時はご容赦頂ければと思いますm(_ _)m
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医学三蔵弁解
江戸時代の漢方ブックメーカー「岡本一抱子」先生の著作。現代語訳をされていますので、古文漢文が解らなくても読めます。
しかし、読みこなすのが私達現代人には時間がかかるので、本格的に取り組む必要があります。
「読めない」という訳ではなく、咀嚼して腑に落ちるまで時間がかかると言った感じでしょうか。
要は自分自身の解釈を考える、「漢方医学的にこれはどういう事だろうか?」というのを自分で考えて答えを出す事をしながら読んでいく本になります。
ですので、ゆっくりと考えながら読んでいくと、読み終える頃には「日常のなんでもない事を漢方医学的にはどうか?」という事を考えられるようになっていると思います。
この「身の回りの事を漢方医学的に捉えて考える」事は、漢方上達には必須能力です。
名古屋流漢方の源流でもありますし、一押しの理論書です。
医学切要指南
医学切要指南は、前述の「岡本一抱子」先生の著作で、医学三蔵弁解を補完するような本です。
しかし、漢方医学の真髄に触れられている、非常に重要な内容となっています。
心包、三焦などの無形の臓器、傷寒についての記述など、何度も読み返しても勉強になります。
これも出版部数が少ないので、医学三蔵弁解とセットで持っておきたい本です。
臨床応用傷寒論解説
傷寒論の解説本は本当に沢山出ています。それだけ、この書物が重要な位置づけという事の裏返しになります。
私がこの本をお勧めするのは、単純に読み下し分が書かれている事と、漢字にルビがふられている事が理由になります。
こういう解説本は読みやすさというものも非常に重要で、漢字が読めないからと言って内容を理解出来ないのは非常に不味いと思います。
金匱要略講話
傷寒論と対になる解説書ですが、これも傷寒論解説と同じ様に読みやすさの点からお勧めします。
傷寒論と金匱要略は、風邪寒邪に身体が侵された時の漢方方剤の使い方と、それ以外の雑病の時の漢方方剤の使い方に分けられて書かれています。
これらの本をゆっくりと「これはどういう事だろうか?」と精読していくと、漢方医学の考え方が身に着くようになります。
しかし、いきなりこれらの書物では、理論があやふやな状態で読まなければいけませんので、やはり医学三蔵弁解と医学切要指南を先に買われて読まれる事をお薦めします。
中医臨床のための方剤学
私が業務でよく使っている本です。漢方方剤や、中医学で使われている方剤等が大量に載っています。
この本の良いところは、出典が日本語書き下し文で載っている所です。
漢方方を考える上で、構成生薬の解析と同じように重要なのが文献精査ですが、その文献精査の中でも出典が大切になります。
その出典を調べるのに、この本は非常に都合よく出来ています。
手に入りやすい本で、勉強という意味では他の上4つの本の方が優先順位が高い為、★★としました。
お読み頂きありがとうございます。
以上です。少しでも参考になれば幸いです。
以下より、他の漢方記事が検索できますので、宜しければご活用下さい。
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